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写真で振り返る決戦の投票日。NYの有権者は(2)2024米大統領選

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
(c) Kasumi Abe

民主党寄りのニューヨーク市の街頭取材では、なかなかトランプ支持を表明する人に会うことはできない。筆者はそれを2016年と20年の大統領選でも経験済みだ。それはある程度予想できていたので、今年も会えなければ行こうと決めていた場所がある。

その場所とは、マンハッタンのトランプタワー。

2016年の大統領選のとき、当時の安倍首相が世界のどのリーダーより早くお祝いに駆けつけた場所でもある。

次期駐日大使にトランプの長女、イヴァンカ・トランプが浮上。その噂について現地の声を聞いた

投開票日の午後遅くに行ってみると、すでに人だかりができていた。

ここは五番街という観光客が多く行き交う場所でもあるから、集まっているのはトランプ支持者だけではないが、それでもすごい人の数。そしてそんな中でも一際目立っているのが、主張が強い派手目のトランプ支持者たち。

(c) Kasumi Abe
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LGBTQ&トランプサポーター。(c) Kasumi Abe
LGBTQ&トランプサポーター。(c) Kasumi Abe

トランプ氏は熱狂的な支持者が多い反面、トランプ嫌いがいるのも事実。

トランプタワーの前で、反対派の人々によるデモ。(c) Kasumi Abe
トランプタワーの前で、反対派の人々によるデモ。(c) Kasumi Abe

筆者はこれまでいろんな州の有権者と対話してきた。その経験を踏まえた上で、トランプ支持者はやっぱり過激な人が多い、とは思っていないが、こういう場に過激な人が集まるのは事実のよう。そしてここでも、まるで酔っ払いの集まるスポーツ会場かと思うくらいに、敵対政党間の罵詈雑言が飛び交っていた。

筆者はそんな人々を横目に、端の方で穏やかに立ち話をしている年配の(見た目も普通の)2人組の男性に話を聞くことができた。

2人はカリフォルニアから出張中ということだ。一人は投票所には行ったらしいが「両候補者が嫌いでどちらも支持をしていない」と答えた。もう一人は出張前に地元でトランプ氏に投票して来たという。ジャロウさんと名乗るその男性に、トランプ氏支持の理由を聞いた。

「民主党は過激に左翼化していて非常に危険です」とジャロウさん。自身は以前は民主党員だったが、2001年の同時多発テロ以降に共和党支持に変更したという。「トランプはアメリカの歴史を変えている。彼は共和党をエイブラハム・リンカーンの(思想の)ルーツに戻した。それは労働者階級の党であり、働く者の党です。共和党はアメリカの基本的な強さと独立心に忠実で、権利への敬意を払っている。共和党は保守的です。それは良い考えを守るということです。

トランプによって経済は回復すると思う。台湾への脅威が現実味を帯びる中、彼は中国が敵対者であることを知っていて、中国を後退させるために必要なことをするだろう。中国からのオピオイド(の過剰摂取)で毎日200人のアメリカ人が死んでいる。今すぐ阻止しなければなりません。バイデン&ハリスではアメリカは弱くなる一方です」

今回も両候補者の支持者に話を聞くことができたが、ハリス氏の支持者の中にはトランプ氏が嫌いという理由が多く、2020年のバイデンを支持する人々と共通点があるのを感じた。一方、トランプ氏の支持者は彼を支持する確固たる理由があることが多いようだ。

(Text and photo by Kasumi Abe) 無断転載禁止 

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、著名ミュージシャンのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をニューヨークに移す。出版社のシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材し、日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。

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