ウクライナ沖・貨物船被弾、愛媛県今治の企業所有船、穀物輸送のため停泊中に被弾か
ロイター通信によると、ウクライナ南部オデッサ州のユズニー港近くで2月25日、穀物を輸送予定で港沖に停泊していたパナマ船籍の貨物船、ナムラ・クイーンがロシア軍による砲撃で損傷したとされる。
船舶情報サイトによると、愛媛県今治市の会社が船主として登録されており、複数のメディアがこの船が日鮮海運系列の日興汽船(共に今治市伯方町(伯方島))の船舶ではないかと報道している(愛媛新聞・南海放送等)。穀物のトウモロコシを輸送予定であったこともあり農業業界関係者には衝撃が走っている(日本向け穀物であるかは確認されていない)。
海外メディアでは、貨物船がロシアのミサイルが船の上部構造物が被弾し、深刻な被害を受け、乗組員が負傷し火災が発生したが、すでに鎮火したとする報道もある(下記Maritime Security記事)。300年以上海運関連情報の提供を続けるロイズ・リスト・インテリジェンスは乗組員1名が負傷したとしている(下記Lloyd's List Intelligence記事)。
国内ニュースでもとうもろこしを積み込むため港の沖合に停泊していたところをミサイル攻撃され、乗組員のフィリピン人が軽傷というこというニュースも出始めた(南海放送)。しかし詳細は不明な点が多いため被害の把握が必要だ。世界の船舶の船員労働者のフィリピン人の割合は高いが、ロシア人とウクライナ人も多い。今後は船舶の労働を支える労働者の不足が起こる可能性もあると言える。
(参考文献)
国土交通省「外航海運の現状と外航海運政策」
今治市「世界有数の海事クラスターの中核を担う『今治オーナー』」『今治外航船主(外航海運)』今治市HP
https://www.city.imabari.ehime.jp/kaiji/bariship2019/kaiun/002.html
(2022年2月25日確認)
愛媛新聞「日本企業が運航関係の可能性 ウクライナ沖で貨物船被弾」
2022年2月26日
日本海事センター「各県別 海事産業の経済学」2012年6月
南海放送「今治市の会社所有の貨物船がウクライナで砲撃受け損傷【愛媛】」
2022年2月22日(6:45配信)
”Japanese bulk carrier hit by missile, count of stricken ships rising to 3, Ukraine”
https://www.fleetmon.com/maritime-news/2022/37381/japanese-bulk-carrier-hit-missile-count-stricken-s/
Maritime Security by Mikhail Voytenko,Feb 25, 2022
”Ships hit by missiles as Ukraine forces defend Odessa and Mariupol”
Declan Bush,Lloyd's List Intelligence ,25 Feb 2022
https://lloydslist.maritimeintelligence.informa.com/LL1139981/Ships-hit-by-missiles-as-Ukraine-forces-defend-Odessa-and-Mariupol