”森保ジャパン”の長身GKオビ。CKキャッチからベルギー代表のカウンター再現を狙う。
アジア大会のサッカー男子に参戦しているUー21日本代表。2試合目のパキスタン戦で正GKの小島亨介(早稲田大)が負傷し、途中からオビ・パウエル・オビンナ(流通経済大)がピッチに立った。
すでに4−0という状況で、突然の出場にも落ち着いたゴールキーピングを披露したオビだが、1つ悔やまれるシーンが相手のCKだった。イシャクが右サイドから蹴ったボールを処理に行ったが、やや目測を誤り長いリーチでなんとか触って何を逃れた。
「キッカーがだいたいストレートで来るモーションで蹴ってたので、ストレートが来るとは思ってたんですけど、ボールの性質的に伸びたので、そこで目測を誤って落下点より前すぎて、結果的に触れてよかったですけど、もうちょっとボールの伸びる質を考えて最初の一歩目を動かせていたらキャッチできたので、そういうところをもっと突き詰めて、そういう感覚を研ぎ澄ませてあの1本をしっかりプレーしたらよかったと反省しています」
失点のリスクはもちろんのこと、うまくキャッチできれば効果的なカウンターで追加点を奪えていたかもしれない。
「コーナーは触るのも大事なんですけど、しっかりあそこでキャッチしていたら、前にも(前田)大然とかいたので、もう1点取れる大きなチャンスになっていたと思う。ただ守るだけじゃなくて次に繋げるという意味も込めてしっかりかキャッチするべきだと思いおます」
そうしたCKの処理というのはA代表を含めて日本人GKの課題となっている。しかし、世界を見れば逆にそうしたボールをうまくキャッチしたり、前方に大きくパンチングすることでロングカウンターからのチャンスにつなげている。ロシアW杯のベルギー戦ではまさにそうした形でベルギーにスーパーカウンターを決めらた。その起点となったGKクルトワのキャッチからスローに繋げるプレーはオビも観て刺激になっているという。
「チーム(流通経済大)でも言われていて、シュートでもクロスでも触って防ぐだけじゃなくて、世界はキャッチして、だからベルギーも最後に点が取れたし、そこが差だと思うので。やっぱり自分はそういうところを目指して意識してプレーする必要があると思います」
オビは193cmの身長と恵まれたリーチを持つオビ。CKキャッチから逆転ゴールにつなげたクルトワのキャッチはまさに特徴を生かすプレーの理想形だが、憧れて参考にしているのはコスタリカ代表GKのケイラー・ナバスだという。
「ナバス選手は自分とサイズもプレースタイルも違うんですけど、だから学ぶものもあると思うので、そこはプレーを見て。どうやったらあんな風に体を動かせるのかだったり、あの身長でやっていることを自分が意識すればもうちょっと自分のプレーも上がると思う」
公式データは185cm。W杯で取材した筆者の印象としては実際もっと小さいかもしれない体格で、レアル・マドリーの欧州制覇に何度も貢献しているナバス。奇しくもクルトワが同クラブでライバルとなる。
オビは世界で活躍するGKを指標に東京五輪、さらにその先の高みを目指す。