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台風22号、14年ぶりに猛烈期間が72時間以上に

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風22号の雲の様子(ウェザーマップ)

猛烈な勢力のままあす早朝フィリピン北部を直撃へ

台風22号の予報円(ウェザーマップ)
台風22号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風22号はきょう午後3時の発表でも、中心気圧905hPa、最大風速55メートル、最大瞬間風速80メートルの大型で猛烈な勢力を維持しながらフィリピンの東を西北西に進んでいます。

今後もこの勢力を維持したまま西北西に進み、あすの早朝にも猛烈な勢力でフィリピンの北部を直撃する見通しで、大きな被害(災害)が懸念される状況です。

沖縄でも強風や高波などに注意、警戒

風の予想(ウェザーマップ)
風の予想(ウェザーマップ)

あす土曜日午前3時の風の予想をみると、フィリピンの北部は猛烈な風が反時計回りに吹いており、台風22号が上陸寸前であることが分かります。

また沖縄でも平均8~12メートルのやや強い風が吹き、波の高さは最大で6メートルに達する予想です。

強風や高波に注意、警戒するとともに、先島諸島では雷を伴った激しい雨が降る恐れがあり、合わせて注意をした方がいいでしょう。

発生率0.3%の極めて珍しい台風に

気象庁が発表している台風のベストトラックデータ(事後解析の確定値)で、最大風速の値がある1977年以降を調べてみると、台風の発生数は1069個で、このうち最大風速54メートル以上の猛烈な台風まで発達したものは91個ありました。(今回の22号はまだ速報値)

さらにこれら91個の猛烈な台風について調べてみると、猛烈な台風となっている期間は48時間未満のことが圧倒的に多く、48時間以上継続しているものはわずかに13個しかありませんでした。

(ベストトラックデータはおおむね6時間ごとの位置や強さが発表されているため、厳密には多少の誤差はあります。)

猛烈な期間が48時間以上の台風は以下の13個になります。

1位 90時間 1978年26号

2位 72時間 2018年22号(ことし)

   72時間 2004年16号

4位 66時間 1984年22号

   66時間 1981年22号

   66時間 1979年20号

7位 60時間 1997年24号

8位 54時間 2012年17号

   54時間 1991年28号

   54時間 1991年23号

11位48時間 2013年28号

   48時間 1983年05号

   48時間 1980年19号

今回の台風22号は猛烈な期間がすでに72時間継続しており、これは14年ぶり3個目のこととなります。

今後もフィリピンに上陸直前となるあす土曜日午前3時までは猛烈な勢力が続くと予想されていますので、最長で84時間にわたり、猛烈な勢力が続く可能性がありそうです。

今回のように猛烈な台風となり、さらにその勢力が72時間以上も続くものは、台風1069個のうち3個目ですから、大雑把に言えば、台風300個~400個に1個程度しかない極めて珍しい発生率(率にして約0.3%)と言えるかもしれません。

ちなみに上記の台風がたどった進路をみてみると、猛烈な台風にまで発達するのは海水温が30℃前後もあるフィリピンの東海上であることが多く、しかも猛烈な台風としての期間が長くなるためには、フィリピンの東を長距離、長時間にわたって移動する場合がほとんどであることが分かります。

データの作成にあたり、気象庁、デジタル台風を参考にしました。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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