ダウンを挽回した26戦全勝22KOのアジア系アメリカン
第3ラウンド残り25秒、ウィル・マデラの右を浴びたIBFスーパーライト級12位がキャンバスに沈んだ。
足元は覚束ず、ダメージは深刻だ。
25戦全勝22KOと快進撃を続けてきたアジア系アメリカン、ブランドン・リーの対戦相手は17勝(10KO)1敗3分けのマデラ。身長で8センチ、リーチで6センチ、リーにアドバンテージがあり、安パイとして宛がわれた筈であった。
並の選手なら、ここで終わっていたかもしれない。また、両者の力量に差があり過ぎたという見方も出来る。
どちらにしても、この状態から立て直したリーの精神力は称えられる。
ピンチを凌ぎ、自分のボクシングを貫くことに成功。結局3人のジャッジすべてが98-91と採点する内容で、デビュー以来26連勝を飾った。
今回のリーのファイトはSHOWTIMEで放送されたため、彼の存在を覚えたボクシングファンも多かったのではないか。
試合後、リーは言った。
「注意力が散漫になってしまった。自分自身にマデラは何もない選手だと言い聞かせていたんだけれど、それが間違いだった。集中力も欠いていた気がする。1~2回はそうでもなかったのに…。
常に左ジャブを出し続けなくちゃね。トマト缶を相手に戦っている訳じゃないから、全ての相手をKO出来る訳じゃない。彼には経験値があったし、作戦を変更する必要があった。とにかく、真っ直ぐ前を向いてボクシング界を進んでいくよ」
リーにとっては、2試合連続で10ラウンドをフルに戦うこととなった。ここ17試合中15のノックアウト勝ちを飾っているリーだが、今年4月のファイトでは力み過ぎ、今回は初のダウンを経験と、課題も露呈したかに見える。
リーは近く開催予定のIBF暫定スーパーライト級王座決定戦の勝者と戦いたいとアナウンスしたが、どんな未来を築くだろうか。