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将棋界のレジェンド羽生善治九段(51)華麗な復活で今年度8連勝! 現在勝率ランキング1位!

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 7月21日。東京・将棋会館において第8期叡王戦・段位別予選九段戦▲羽生善治九段(51歳)-△島朗九段(59歳)戦がおこなわれました。

 1989年に第2期竜王戦七番勝負で対戦するなど、数々の名勝負を繰り広げてきた両者。最後の対局は2002年12月で、約20年ぶりの顔合わせとなりました。

 振り駒の結果、先手は羽生九段。序盤から駆け引きがあり、島九段は角交換型の四間飛車に組みました。

 29手目。羽生九段は端1筋に筋違い角を据えます。以下は島陣の弱点である桂頭をめぐる攻防となり、羽生九段が機敏にリードを奪いました。

 羽生九段側からは次々と好手段が生じて、島九段は粘れない形。最後は59手と短手数の決着となりました。

 2002年9月、A級順位戦での両者の対局では42手という記録的な短手数で羽生現九段が勝ちました。本局はそれに次ぐ手数です。

 両者の対戦成績はこれで羽生27勝、島10勝(1持将棋)となりました。

 7つのタイトル戦で永世称号を獲得するなど、現代将棋史上最高の実績を残している羽生九段。新しい8番目のタイトル戦である叡王戦ではまだ番勝負登場はありません。タイトル100期目をかけて新時代の覇者・藤井聡太叡王との五番勝負が実現すれば、大変な盛り上がりとなるでしょう。

 羽生九段は2021年度、初めての年度負け越しを記録しました。

 羽生九段は前年度から敗戦が続き、今年度最初の一局を敗れた時点で、自己ワーストの7連敗となりました。しかしそこから華麗に復活。6月には通算1500勝を達成しています。

 羽生九段はここまで8連勝中です。また今年度8勝1敗(0.889)の成績は現在、勝率ランキング1位です。

 羽生九段は過去に勝率1位を7回達成しています。それもまたもちろん、歴代1位の記録です。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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