【ジャズ生】流れは絶えずしてもとのソロにあらず|山下洋輔ソロピアノ・コンサート@第一生命ホール
“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、山下洋輔のソロ・ピアノを堪能できるソロ・コンサート。
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毎年の恒例となっている“日本ジャズ界の春の嵐”こと、山下洋輔のソロ・ピアノによる完全ソロのコンサートが、今年も開催される。
このライヴ、山下洋輔というアーティストの定点観測という大命題があり、おそらく本人もそれを意識して取り組んでいるものと思われる。それは、プログラムがガラリと入れ替わるわけでもなく、まったく同じものでもないことからも“当たらずとも遠からず”ではないかと思っている。
というのも、それが「一夜限りのイヴェントにしたくない」という前向きな意識の表われであることはもちろん、1年というスパンで“変わることができる自分”と“変わらずにいられた自分”を確かめるために用意された“実験室のスケジュール表”のようにも感じるからだ。
それはまた、表現者にとって未知の自分を探すとこができる好機であるとともに、残酷な試練という恐怖もあわせもっているはずだ。
しかし、その緊張感を味わうことができるからこそ、傍観者である観客は引き寄せられるように毎年の同じころ、晴海の黎明橋をフラフラと渡ってしまうのだろう。
では、行ってきます!