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比内地鶏の焼鳥がもっと身近に。〆の白味噌グリーンカレーは必食のコク深さ!【灯火/東京】

今回、冒険するのは東京・市ヶ谷の「灯火」。南阿佐ヶ谷にあった小さな焼鳥屋「なが田屋」が2022年11月、都心に移転したのがここ。比内地鶏を手頃に食べられるとあって、以前は常連を中心に回っていた店だったのだけれど、装いも新たに屋号を変えて再スタート。焼鳥屋と和食屋の両方で研鑽を積んだ店主・永田さんによる串と一品に注目だ。

焼鳥はもちろん、和の肴も

東京のど真ん中、市ヶ谷。屈指のビジネス街ながら、焼鳥屋のあるイメージがなぜだか湧かない。そんな先入観。20時を過ぎた頃。真新しい引き戸を開けると、カウンターもテーブル席も見事に埋まっていた。お、繁盛店。

  • 焼鳥おまかせ7本コース(税込3520円)
  • 焼鳥おまかせ10本コース(税込4400円)
  • 灯火コース(税込6050円)

 ※2023年5月現在

前菜3種と漬物
前菜3種と漬物

どれにも前菜3種や漬物が付き、灯火コースはさらに一品や〆の炊き込みご飯も含まれる。とはいえ、今夜は串気分。7本コースを軸に、好みの串と〝お目当ての〆〟を追加で決まりだ。

まずは前菜を肴にビールで喉を潤す。穴子に鯛、湯葉……。一気に引き込まれる和の世界。焼鳥屋でありながら魚介も前菜に出されるので、はなっから日本酒を味わうのもいいかもしれない。そう、「灯火」はビールや日本酒がしっくりとくるんだ。

ねぎま
ねぎま

さぁ、待ちに待った1本目は変わり種のねぎま。頭は皮付きのもも肉。ねぎを挟んで、むね肉。そして、ふくらはぎ。いってみれば、ミックスねぎまだ。

複数の部位を少しずつ串打ち。よくある「かしわ」とも随分違う表情を見せてくれる。タレもサラッとしているので、1本目ではあるけれど、あと味も軽い。

ホワイトアスパラ
ホワイトアスパラ

2本目のハツモトに続いて、3本目はホワイトアスパラ。アンチョビを使ったソースを添えて、ちょっと洋の装い。これは、合わないわけがないなぁ。

サクサクとしたアスパラの食感、みずみずしさ。洋のテイストではあるのだけれど、不思議と日本酒にもピタリとくる。それも焼鳥の懐の深さ。炭火料理のいいところ。

レバー
レバー

うずら
うずら

レバーはほどよく、とろりと。続くうずらは移転前から続く名物、の3色うずら。たれ、マヨネーズ、たれ。たれといっても、3貫目は1貫目よりも甘めの地に漬けているあたりも技あり。

焼鳥というのは自由だ。永田さんの和食の経験は、こういうところにも生きているのだと思う。

つくね
つくね

比内地鶏は砂肝も抜群にうまい

「つくねでコースは以上です。追加されますか?」。永田さんからそう声をかけられた。もちろん、まだ食べる気満々。悩んだ末、砂肝に抱き身、ももを追加だ。

砂肝はえんがわ……いわゆる〝壁〟も付けたままで串打ち。砂肝のザクッとした食感と、えんがわのクニュッとやわらかな食感のコントラストが独特。スパイシーな仕上げもいい塩梅。

砂肝
砂肝

抱き身
抱き身

もも
もも

さすがは比内地鶏といったところで、抱き身とももは安定の味わい。皮をほどよくパリッとさせながら、肉汁を閉じ込めている。

気づけば10本超。これで串納めにするつもりだったのに、酒がまだ残っているからと、つい砂肝をお代わりしてしまう。困ったもんだ。

グリーンカレーの海に溺れたい

さぁ、あとは締めるだけ。親子丼やそぼろ丼、鶏ラーメンといったメニューもあるものの、「灯火」での主役は間違いなくコレ。こっくりとした「白味噌グリーンカレー」

これは市ヶ谷に移転する前からの人気メニューで、比内地鶏のスープをベースにスパイスやココナッツミルクを加え、白味噌で深みを与えている。

白味噌グリーンカレー
白味噌グリーンカレー

たっぷりとまわしかければ「白味噌グリーンカレー丼」の完成。比内地鶏の肉にうずらの卵、アボカドにとろり絡めて、ごはんごとパクリといく。

うーん、もう絶妙なバランス。辛みが控え目な分、うまみやコクがじんわりと伝わってくるよう。もしもこのグリーンカレーをランチで出したなら、繁盛すること間違いなし、だ。

いやぁ、満腹。焼鳥を摘まんで白味噌グリーンカレー。これが「灯火」の方程式……というと言いすぎかもしれないけれど、ここでしか味わえない満足感があるのは確か。カレー目当ての常連さんもいるくらい。

永田さんと女将さんの二人三脚は始まったばかり。永田さんは今後、ジビエなども炭火で焼いてみたいですね」と意気揚々。女将さんもさらに日本酒のラインナップを充実させていきたいのだそう(今でも十分に見えるけれど)。

この「灯」がどんな風に市ヶ谷の町を照らしていくのか、今から楽しみだな。

店舗情報
【店名】灯火
【最寄り駅】市ヶ谷駅
【住所】東京都千代田区六番町4-11
【予約】03-5929-7122
【定休日】火曜
【串のアラカルト】なし
【鶏メモ】比内地鶏

地下1階
地下1階

毎週、焼鳥三昧! 焼鳥を斜めに逆さ撮りする〝ヤキトリスト撮り〟は元祖にして名刺代わり! 「焼鳥は串柄、人柄」をテーマに、大衆的で気兼ねない町焼鳥から、鶏にこだわり1本1本に心血を注ぐ専門店まで焼鳥まみれの日々を送っています。焼鳥好きの方、フォローよろしくお願いします!

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