facebookはオッサンとオバハンのソーシャル
KNNポール神田です!
Facebook Japanの「Mobile Moves People」の発表によると、国内のFacebookのMAU(月間アクティブユーザー)は2500万人、その92%はモバイルからアクセス。そして、国内InstagramのMAUは、1200万人に成長しているという。つまり、Instagramは、facebookの約半数(48%)にまで成長していることとなる。
しかし、まわりを見渡してみると、facebookの知人は半数もInstagramを活用しているようには見えない…。そこがfacebookの高齢化を表している。
筆者は50代半ばの正式なオッサン世代である。その知人ネットワークでのInstagramの比率は低くて当然なのだ。Instagramの主要ユーザーが10代20代に集約されているからだ。さらに、#(ハッシュタグ)による画像検索のほうが「リアル」だと「右脳系ソーシャル」は言う。一言で、ソーシャルメディアといっても、google検索になれた文字ベースの左脳系ソーシャルとリアルタイムに#ハッシュタグをつけて公開するInstagramとでは実は大きな世代間による「ソーシャルメディアギャップ」がある。そして、知人ベースでつながっているからこそ、年代ギャップができるのも当然だ。
facebookは、オッサンとオバハンのソーシャル
今回の属性セグメント発表で数値はないものの、配分を予測すると、facebookは40代以上が一番の比率で、続いて20代、そして30代のメディアであることがわかる。10代はほとんど誤差といってもいいほどの微々たるシェアだ。そして、全体を見ると、30代以上のユーザーが半分以上を占めている、もはやオッサンとオバハンのソーシャルとも言っても過言ではないだろう。
しかし、facebook社の優秀なところは、Instagramを買収しており、10代、20代のセグメントもカバーできているところだ。さらに、欧米でのLINEにあたるメッセンジャーアプリであるWhatsApp社も買収し、VRやARを期待されるOculus社もすでにfacebook傘下であるところだ。facebookがオッサンとオバハン化しても、他のメディアでしっかりと若年層をグリップしている。また、facebookでも #ハッシュタグ を元に検索も可能だから限りなく右脳検索にも対応できている。
ソーシャルは、ストック型かストリーム型か?
ソーシャルメディアの特性を比較するために、ストック+ストリーム オープン+クローズでマッピングしてみた。当初は、クローズでストリームだったfacebookも、もはや2500万人のMAUとなるともはや限りなくオープンに近いストックなメディアになりつつある。1年前の写真なども共有できるような機能も登場してきた。しかし、オープンでもクローズドでも、facebookは、情報の到達範囲を自分でコントロールできるところが、オッサン、オバハンにとっては都合が良い。記事によって、知人のみ、公開などを選びオトナな対応ができるのだ。
そして、その反対側に位置するのが、Instagramであり、クローズでは、WhatsAppやLINEなどのメッセンジャーが位置している。クローズドでは、しっかりと常につながり合い、他人とは画像だけで繋がるという若者の市場だ。
どんな場所にでも「検索」に応じた広告を表示できたGoogleも、いざソーシャルメディア市場で考えると影響力はそれほど大きくない。むしろ、facebookは、facebookやInstagram WhatsAppというユーザーの属性やセグメントにあわせた広告を表示できる特性がある。そう考えると、メディアごとに年代ギャップが明確にあるほうが広告的な価値は高くなるといえよう。