イーロン・マスクの大朝令暮改、9.3億ドルのBTC売却で9.3億ドルの機会損失
KNNポール神田です。
twitterの買収撤回から、ビットコインの売却へとイーロン・マスクの大朝令暮改が続く…。
ビットコイン損切り売りのタイミングとしては、購入時期から考えると、そう悪くはなかった。しかし、売るならもっと別のタイミングが何度もあったことが悔やまれる…。さらに、イーロン自らの言動によってのシワ寄せもあったはずだ。自ら語っていることの朝令暮改だらけだからだ。イーロンの経営判断による『チャブ台返し』に匹敵する大朝令暮改は、もはや日常茶飯事となりつつある。
自ら語ることによっての市場への影響も多大だが、リスクも多大だ。何よりも、そのリスクを一人で背負えるというのが彼の最大のアドバンテージでもある。
テスラがビットコイン(BTC)を15億ドル分、購入を発表したのが2021年2月8日。平均購入価格は、3万1000ドル だった。
3万9000ドル台のBTCは、その後、4万4000ドル台にまで価値は急上昇した。
平均2万9000ドルとすると2022年5月27日頃の売却が推測できる。
『売るつもりがない』や『インフレ率が高いときはドルを保有しないよう人々にアドバイス』などの言動がなければ、良かったのかもしれない。しかし、イーサリアムやドージコインは売却していない。
■あの時に売っていれば、2倍の価値に…損失は9.3億ドル
テスラは2021年2月に15億ドルのビットコイン購入を明らかにし、2021年3月24日からテスラの購入をビットコインでも可能とした。しかし、2021年5月12日にビットコインでの決済停止を発表している。
もしも、2021年5月12日、この時期に決済停止と、同時にビットコインの売却をしていれば、5万8,000ドル近辺で売れたはずだ。今回の売却は2万9000ドル近辺なので、約2倍の価格差だ。
9.3億ドルどころか、19億ドル近くで売れ、初期の15億ドルの投資で4億ドルもの利益は叩き出せたはずだ(仮想通貨の税金は加味せず)。
あの時に売っていれば、19億ドル。今回の損切で9.3億ドル。つまり、損失は9.3億ドルに及んだ…。
とはいえ、テスラそのもの2022年の第2四半期の決算発表は順調である。
当期純利益は22億5900万ドル(3117億円)で、前期の33億1800ドルから32%減だが、前年同期比では98%増と、ほぼ2倍だ。
https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1318605/000156459022026048/tsla-ex991_130.htm