シックスマンを受け入れたカーメロ・アンソニー?
浪人生活を経て、ポートランド・トレイルブレイザーズを復帰の場とした36歳のカーメロ・アンソニー。昨シーズンの11月からブレイザーズのユニフォームを纏って58試合に出場した。アンソニーは、チームの顔としてプレイオフ進出に大きく貢献した。
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そして、今季は年俸$162万564でブレイザーズと再契約を結んだ。その折、アンソニーは笑顔で語った。
「そんなに難しい決断じゃなかったよ。昨シーズンから、ポートランドで続けたいと思っていたからさ」
しかし、18年目となる今シーズンの彼の役割はスターティングではないようだ。プレシーズンマッチを迎え、テリー・ストッツ監督が口にしたスターティングファイブにアンソニーの名は無かった。
ストッツ監督は、デイミアン・リラード、C・J・マッカラム、デリク・ジョーンズ・ジュニア、ユスフ・ヌルキッチ、そしてロバート・コビントンらを先発させると話した。
2013年に得点王となり、オールスターに10度出場したアンソニーの昨シーズンの働きぶりを見れば、同監督のアナウンスに耳を疑った者も少なくない。
しかし、いかなるスター選手でも、監督の指示には従わねばならない。
アンソニーは言う。
「スターティングだろうが、ベンチスタートだろうが、チームの為に何が出来るかを考えて働く。それだけだよ。だから特に疑問は感じちゃいない。チームにとってベストの状態を築くことが大事だ。
監督の采配は受け入れる。今シーズンもブレイザーズでプレーすることについては、デイミアンやC・Jと何度も話し合ったうえで決めた。このチームはアットホームな雰囲気だし、周囲が俺を物凄く敬ってくれる。スターティングじゃなくても、重要な選手だと言ってくれる。心から光栄に感じるし、誠実に役割を果たしたい」
昨シーズン出場した58試合で、アンソニーは全てスターティングとしてコートに立った。全盛期のパワーは失せたかもしれないが、平均得点は15.4、リバウンドは6.3を記録し、リラードがケガで欠場した間は精神的柱としてチームを支えた。
2018年にヒューストン・ロケッツの一員となり、ベンチスタートを命じられたが10試合にしか姿を見せなかったアンソニー。スタメンでない状況が許せなかったからこそ、彼は浪人生活を余儀なくされた。
アンソニーは当時を振り返る。
「実はヒューストンでもベンチスタートを受け入れようとはした。でも、7~8試合が精いっぱいだったんだ……」
そんなアンソニーが「チーム内での自分の役目を話し合っていくよ。デイミアンやC・Jをスターティングから外すことは出来ないだろう。でも、俺はバランスを取れると思うんだ」と話すのだから、歳月を感じる。
「正直なところ熟考したよ。俺の新たな挑戦なんだ。そんなに難しいことでもないって思える。プライドとかエゴに縛られてプレーするのはマイナスだよ。深呼吸して、前を見詰めていく。そして自分の仕事をきちんと成し遂げる」
このベテラン選手は今季、何を見せるか。目が離せない。