フェニックス・リーグでチーム最多の9試合に登板 藤原投手に戦力外通告《阪神ファーム》
まず28日に発表された秋季キャンプの詳細を書いておきます。期間は11月1日(日)~17日(火)まで、高知県の安芸市営球場で行われ、休日は6日(金)と11日(水)。ただし天候により変更されるかもしれません。練習開始は10:00の予定です。参加メンバーは以下の通り。合計30人で、これもキャンプ中に変更の可能性もありとのことです。
【投手】14人
榎田、横山、岩貞、藤浪、歳内、秋山、石崎、山本、金田、松田、二神、岩崎、島本、田面
【捕手】4人
梅野、小豆畑、岡崎、原口
【内野手】7人
北條、上本、新井良、森越、今成、陽川、荒木
【外野手】5人
大和、江越、伊藤隼、中谷、緒方
フェニックスでの藤原投手
そして29日の夕方、球団広報から『藤原正典選手(27)に対して、来季の契約を結ばないことを伝えましたので、お知らせします』というメールが届きました。この時期のメールは本当に怖い。夕方5時くらいの着信が一番ドキドキします。19日の2選手でもう終わりだろうと思っていたこともあり、昨年の森田一成選手の時と同じく、かなり驚きましたね。しかもフェニックス・リーグはフル参戦し、結果を出していただけに…。
藤原投手はことしのフェニックスで、チーム最多の9試合に登板しました。ついで多かったのは榎田投手8試合、田面投手7試合、伊藤和投手6試合となっています。内容は以下の通り。( )内は安打-三振-四死球 / 失点-自責です。
・ 6 斗山 1回 (0-2-0 / 0-0)
・ 8 楽天 2回 (2-2-1 / 0-0)
・11 楽天 2回 (1-2-0 / 0-0)
・13 ハム 2回 (1-4-1 / 0-0)
・15 巨人 2回 (3-0-1 / 0-0)
・17 LG 1回 (0-0-0 / 0-0)
・21 楽天 3回 (5-1-0 / 1-1)
・24 HE 1回 (1-2-0 / 0-0)
・26 ロッテ 1回 (0-0-0 / 0-0)
※斗山=(韓国)斗山ベアーズ、ハム=日本ハム、LG=(韓国)LGツインズ、HE=(韓国)ハンファイーグルス
唯一の失点は21日、楽天の内田選手に打たれたソロホームランでした。それ以外の8試合は無失点です。13日の試合後に話を聞いた特、その日の記事にも書いていますが「毎年この時期はよくて、そう言いながら6年間ダメだった」と苦笑いしていたんです。 だから何とかしないと、と。その後も21日を除いて無失点を続けていて、今度は24日に「抑えていますねえ。手応えあるでしょう?」と聞いたら「そう思うとダメです。油断は禁物」と慎重な答え。
そして最終日、一番最後に登板した藤原投手はロッテの5番からを三者凡退に斬って取りました。いい締めくくりですね。しっかり結果を残せたと、もう言っていいでしょう?「ま、そうですね」。少し笑顔も見えたので「じゃあ次は秋季キャンプ!」と、バスに乗る背中に声をかけたところ、藤原投手はとても複雑な表情で振り向いたのです。それが気になって、気になって…。もしかすると単に秋季キャンプへ行かないことがわかっていただけで、その時点で何かを告げられていたわけじゃないでしょう。多分。でも小骨のように引っかかっていたのは事実です。
我らが“FJ”、まだまだ見たい選手
その小骨が取れた、なんて気分には決してなれませんが、ああそういうことだったんだと改めて納得しました。頼りになる“隊長”・玉置投手に続いて、元気印の藤原投手(我々はいつからか『FJ(エフジェイ)』と呼んでいます)も、タイガースからいなくなるのかと思うと寂しいですね。春の安芸キャンプでは毎日ひとりで黙々とマシン打撃をこなし、シーズン中の残留練習では野手に交じってロングティーも。「二刀流?」なんて聞くと「いえいえピッチングのためですよ」と笑っていましたっけ。
でも本当に野手顔負けの鍛え上げた肉体だし、現に育成試合では2イニングくらい外野の守備についたこともありますからねえ。打球の追い方に何の違和感もなかったですよ。打ってもすごかったんじゃないかと、いまだに思っています。あとは鳴尾浜のブルペンから、レフトのファウルゾーンへ転がった打球を取りに出てくるスピードが素晴らしく速い!あの姿も見られなくなるんですねえ。
戦力外の通知に驚いたとメッセージを送ったら、こんな言葉とお礼の返信が…。「良い時も悪い時も、愛のある記事を両親、家族ともども楽しみにしていました」。もう一気に涙腺決壊です。何より嬉しい、何にも増してありがたい言葉です。こちらこそ、打たれた時も厚かましく話しかける厄介な私に、いつもちゃんと答えてくれて、感謝の思いしかありません。本当にありがとうございました。
今後については「現役続行希望」と本人の口から聞けていないのですが、文末から受け取れるニュアンスではそのような気がします。おそらくトライアウトも受けるのではないでしょうか。どこであろうと、これからもしつこく(…)取材に押しかけますので、どうぞよろしくお願いします。
それと『来季の契約について』というメールが、もう来ませんように。