新垣結衣さんは中国では最高の「老婆」。その意味は?
5月19日、TBS系のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』で共演した、俳優で歌手の星野源さんと女優の新垣結衣さんが結婚を発表し、日本中が大きな驚きと祝福に包まれました。
ドラマが現実になるという夢のようなサプライズは中国でもビッグニュースとして駆け巡り、日本で発表された直後に中国版ツイッター、微博(ウェイボー)ではホットランキングの第1位に躍り出ました。
その後も「新垣結衣 星野源結婚」や「新垣結衣退社」、「新垣結衣嫁了嗎?」(新垣結衣は嫁いだの?)、「誰娶了新垣結衣?」(誰が新垣結衣を娶ったの?)といった関連ワードがホットランキングの上位に入っていました。
中国では、動画サイトなどで日本のドラマを日本とほぼ同時に視聴している若者が多いのですが、中でも2016年に放送された『逃げ恥』の人気は高く、そのため、新垣結衣さんの知名度と人気は絶大でした。
今回のビッグニュースで、改めて中国のサイトやSNSなどを見てみて気づいたのは、新垣さんは中国では「国民の“老婆”」というニックネームで呼ばれていたことでした。
若妻でも中国では「老婆」
「老婆」という文字を見ると、日本人は一瞬ビックリしますが、「老婆」(ラオポー)は中国語で「奥さん」や「妻」という意味。つまり、新垣さんは「国民の奥さん」という愛称で呼ばれていたのでした。日本語とはまるっきり意味が異なり、中国語では、若くても奥さんは「老婆」なのです。
なぜ新垣さんが「老婆(奥さん)」と呼ばれているのかについて、中国人も疑問に思っている人が多いらしく、SNS上で公開質問している人も見かけましたが、やはり『逃げ恥』でのかわいい妻役のイメージ、温和な笑顔がまるで初々しい新妻みたい、ということが理由のようでした。
ちなみに、中国では圧倒的に夫婦共働きが多いのですが、富裕層の間では、近年、専業主婦(中国語では全職ママ)が増えてきています。
ところで、日本のSNS上では2人が結婚を発表した日についても、話題になっていました。
5月19日は大安吉日であるだけでなく、一粒万倍日(いちりゅうまんばいび=1粒まいた籾が何万倍もの稲穂となって実る日)、天恩日(てんおんにち=すべての人が天の恩恵を受けることができる日)、母倉日(ぼそうにち=母が子どもを育てるように天が人を慈しむ日)であり、この日に結婚や引っ越しなどをすると非常によい、とされている“最強の日”だったから、だそうです。
しかし、中国では別の意味で盛り上がっていました。それは、結婚発表の翌日が5月20日だったからでした。
中国では特別な「520」
5月20日は中国では「520」(ウーアーリン)の日。520の発音をもじって、我愛你(ウォーアイニー=あなたを愛しています、と告白する日)といわれています。
中国では2月14日に続き、5月のバレンタインデー(情人節)ともいわれており、男性が女性に花束をプレゼントしたり、カップルがSNSに写真をたくさん投稿したりするだけでなく、この日に婚姻届を提出したり、この日の前後に結婚式を行う人が非常に多いといわれています。
カフェやレストランでは520元(約8800円)のセットや1314元(約2万2000円)のセット(1314の発音をもじって、一生一世=ずっと一緒、という意味)などを販売したりしますし、化粧品やアパレルなどのショップでもカップル向けのセールをします。
そのため、5月20日の前後になると、中国の恋人たちや、好きな人に告白しようと思っている人たちはおおいに盛り上がるのですが、星野源さんと新垣結衣さんの結婚も、まさにそのタイミングだったことから、中国では「まさか、この日か~!」と大きな話題になった、という側面があったのでした。