沖縄北部を線状降水帯が襲う!沖縄本島北部は南部の約44倍の豪雨被害
沖縄県では9日に「顕著な大雨に関する情報」が発表され、本島北部では「線状降水帯」によって、非常に激しい雨が同じ場所で降り続きました。
局地的には1時間におよそ100ミリの猛烈な雨が降ったと見られますが、10日になってもおさまる気配がなく、早朝には「記録的短時間大雨情報」が相次いで発表されるなど、季節外れの大雨になっています。
そこで、気象庁アメダスのデータからどのような雨の状況なのか確認してみました。
9日9:00時点の24時間雨量は国頭村 奥で327mm
気象庁のアメダスで24時間雨量を確認すると、沖縄本島北部の国頭村奥では9日の午前9時で327mmを観測しています。
南部の那覇空港に隣接する安次嶺(アシミネ)では、21mmと約16分の1の雨量で済んでいます。
気象庁のデータから国頭村奥における、8日20時~10日19時までの累積雨量を計算すると446mmであり、1時間雨量を見てみると以下の時間帯が激しい雨が降っています。
▼1時間雨量
- 09日1:00 64.5mm
- 09日2:00 55.5mm
- 10日7:00 59.5mm
9日15:00時点の24時間雨量は東村 東で485.5mm
先のデータでは国頭村 奥をピックアップしていますが、沖縄本島北部での24時間降水量では東村 東が434.5mmと上回っています。
9:00の時点で奥地域ではピークをむかえていますが、東村ではさらに降り続け9日15:00に485.5mmのピークをむかえています。
この時の南部安次嶺(アシミネ)の降水量は11mmであり、なんと44倍の差が出ているのは驚きです。
先と同様に8日20:00~10日19:00までの累積雨量を計算すると、東村では639mmにものぼり危険な降水量であることが分かります。
1時間雨量が96.5mm!3時間雨量は252.5mmで全体の40%
気象庁のデータでは東村の1時間雨量の最大値は、9日3:00の96.5mmとなっています。
また、その前後をみると1:00で74.5mm、2:00で81.5mmが降り、3時間雨量は252.5mmとなり、累計雨量の約40%が3時間に集中して降っています。
10日10時以降は東村でもパラパラ状態|キキクルでは警戒レベル3相当の「警戒」
東村では10日8:00に53.5mmの強い雨が降った後では、10:00~19:00まで0~3.5mmのパラパラ雨に変わりました。
しかしながら、予想以上の大雨により土壌には多くの雨が浸み込んでいるため、キキクルでは10日19時50分でも警戒レベル3相当の「警戒」となっています。
ウェザーニュースの雨雲レーダーで確認すると、現時点での予想では沖縄本島には数日は、大きな雨が降ることはなさそうですが、雨が降らなくても当分の間は、土砂災害には注意が必要です。
今回降雨量が少なくて済んだ那覇空港から、豪雨となった東村までは移動距離約95.4kmで、車による移動時間は1時間35分で到着します。
気象の世界においてこの距離は、とても遠い距離だとはいえません。それゆえに、線状降水帯が発生すると、局地的な豪雨となることが改めて分かります。
この状況は沖縄に限らず全国どこでも起きる現象なのですが、いつ起きるか分からないため事前の対処は難しいと言えるでしょう。
ただ言えることは、備蓄や防災グッズを揃えておき、大雨の中に外出しないで済む準備や早めの避難が重要ですね。