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アルゼンチン人コーチが語る「柏レイソルのオルンガ、期待大!」

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
8試合で9ゴールを挙げているオルンガ(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 実兄のピチは、あのディエゴ・マラドーナと共にワールドユース東京大会(1979年)で世界一となった右ウイング。息子は、栃木SC所属のエスクデロ競飛王。

 自身は、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロ。

 昨年末から、川越市のフットサル場で自らスクールを始め、この程、埼玉県のジュニアユース、トリコロールFCのコーチとなった彼が、J1得点ランキング1位のオルンガ(柏レイソル)について語った。

撮影:著者
撮影:著者

 オルンガは非常に見応えがありますね。昨シーズンはJ2で27得点でした。11月24日の最終節で8ゴールも叩き込んだのですから、得点感覚は十二分にありますよ。J1ではマークが厳しくなるだろうから、苦戦するかもなと思っていましたが、杞憂でした。

 7節のハットトリックに続き、一昨日の名古屋戦でも決定力を見せましたね。8試合で9得点ですから、現時点のJリーグで最も危険なストライカーと言っていいでしょう。7節の仙台戦ではPKを失敗しながらも、直ぐに切り替えてゴールに飢えているところを見せました。ああいうハートも評価できます。

 193cmの長身を生かしたヘッドはもちろん、信頼能力が高くて、足も速い。彼は左足が得意ですが、左で切り返して右足で決めたり、右に動くか左に動くかわからないフェイントも持っています。

 ゴール前での勇気もありますし、今後もっともっと伸びるでしょう。非常に面白い選手ですよ。ケニア代表としても、かなり活躍しそうな雰囲気ですね。

 アフリカのなかでケニアは、ナイジェリア、カメルーン、コートジボワールには及びませんが、ヨーロッパのクラブに所属する選手も増えています。今後も発展しそうな国ですね。信じられないレベルの身体能力を持ち合わせた選手が、沢山いるでしょうし……。

 レイソルのネルシーニョ監督は、選手に自信を持たせることに長けています。オルンガだけでなく、ヒシャルジソンと大谷秀和のダブルボランチがいい仕事をし、トップ下の江坂任による前線への配球も光っています。仲間隼斗、神谷優太も攻撃のバリエーションを生みます。センターバックの高橋祐治も激しいプレスをかけますし、ご存知の通り、中村航輔は日本で1、2を争うゴールキーパーです。

 今、川崎フロンターレが圧倒的な強さを発揮していますが、このままバランスの取れたサッカーを続けていけば、レイソルも上位に食い込むんじゃないかな。

 8節のゲームを見て、僕が最も印象的に残ったチームは柏レイソルでした。オルンガが、どこまでゴール数を伸ばすか、期待を込めて見詰めていきますよ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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