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初黒星から2カ月。鮮烈なノックアウトで再起した14勝(13KO)のサウスポー

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Amanda Westcott/SHOWTIME

 デビュー以来13戦全勝12KOと、強烈な存在感を放っていたライト級のハードパンチャー、エドウィン・デ・ロスサントスが米国デビューしたのは今年の1月7日だった。

 祖国ドミニカから、より大きな舞台での飛躍を誓ってフロリダ州オーランドのリングに上がったものの、1-2の判定負け。

 ロスサントスの描いた青写真は白紙となった。

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 2カ月後の先週末、そのロスサントスに復帰戦が用意される。対戦相手は12戦全勝11KOのルイス・アコスタ。テキサス州ヒューストン生まれのアメリカンである。

 このカードが発表された折、ロスサントスは"一敗"で咬ませ犬として扱われてしまうのか……と感じざるを得なかった。

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 しかし、である。

 ロスサントスは第2ラウンド48秒にドンピシャのワンツーをヒットし、アコスタを沈める。彼の左ストレートは、まさに閃光が走ったかのような美しさがあった。

 あのトーマス・"ヒットマン"・ハーンズが、"石の拳"ロベルト・デュランを屠った一発を想起させた。

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 会心の勝利後、ロスサントスは言った。

 「俺は戻ってきた。あの敗北以来、誰もが俺の再起戦を指折り数えていたことだろう。負けたことで、"ヤツは終わった"と感じていた人もいただろう。でも、俺はリングに帰って来たんだ。

 これが新章の始まりだ。必ずアコスタをKOしてやると誓っていた。俺の左がジャストミートするとも思っていた。それだけのトレーニングを積み、準備したからこそ結果につながった。誰とだって戦うぜ」

 この試合を見る限り、ロスサントスは負けを肥やしに出来た感がある。ライト級という激戦区において、更に輝きを放てるだろうか。面白い選手であることは間違いない。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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