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「美脚美人は誰?なぜ多い?」韓国のカリスマ女医に聞いた“韓流美脚”のヒミツ

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(ペイレスイメージズ/アフロ)

世の中にはかくも多くの“PRIZE(賞)”やコンテストがあるものだ。先日偶然に接した“美脚大賞”のニュースに接してそう思った。

10月12日、東京都内で『クラリーノ美脚大賞2017』なる授賞式が行われ、女優の観月ありさ、シャーロット・ケイト・フォックス、土屋太鳳、平祐奈が各年代別の“美脚美人”として表彰されたそうだが、なんでも観月ありさは2度目の受賞だという。

“美尻”コンテストはあるが、“美脚”はない韓国

気になってその受賞式を調べてみたら、なんと今年で16回目らしい。

韓国でも近年、「マッスル・マニア」や「ミス・ビニキコリア」などがあり、変わったところでは、グラマラスで美しく弾力があるヒップラインを持つ美女ナンバーワンを決める『ミス・セクシーバックコンテスト』なるものがある。

ただ、“脚線美”に着目する賞やコンテストはあまりない。それでも“美脚”は韓国でも多くの女性たちの憧れ。韓国でも“美脚”のことを“ミガッ(美脚)”とも言うが、一般的によく使われるのは“タリ(脚、足)美人”で、その代名詞として有名な人物は多い。

美脚で有名な韓国のタレント・芸能人は?

例えば“美肌ピラティス伝道師”の愛称で韓国で人気がブレイクしたヤン・ジョンウォンだ。もともとバレリーナの彼女は、「健康美とロマンチックなセクシー美を同時に表現できる女性」として有名で、名門・梨花(イファ)女子大学で行われた『健康脚美人大会』で、“健康脚線美芸能人”にも選ばれている。

以前、本欄でもインタビューを紹介した女子アナウンサーのチョン・イニョンも有名だ。“韓国のカトパン”と言っても遜色ない人気を誇る彼女は股下100センチオーバーの“タリ美人”と言われ、表紙を飾った雑誌が完売なる伝説を持つほどである。

ただ、日本で韓国の“美脚美人”として有名なのは、K-POPガールズグループの少女時代だろう。彼女たちの美脚ぶりは韓国でも有名で、少女時代以降、“美脚”を全面に押し出すアイドルたちが増え、日本でもK-POPガールズグループたちの“美脚”が持てはやされるようになった。

彼女たちのおかげで「韓国=足美人」というイメージが定着したのか、筆者も『韓流美脚プログラム』という書籍の制作に携わったことがある。

カリスマ女医が語った韓国人の脚型の特長

この書籍の著者で、韓国では美人カリスマ医とされるシン・ジョンエ(申貞愛)さんに話を聞いたのだが、K-POPアイドルグループやユン・ウネ、キム・ソヨンといった人気女優らの“美脚作り”に携わってきた韓医学博士の話は大変興味深かった。

「少女時代など日本で人気のガールズグループたちですが、スラリとした美脚を作るために専門的なエクササイズに励んでいるはず。彼女たちのようにまっすぐキレイな脚は努力の賜物なのです」

骨盤を矯正して体型を整える矯正専門医でもある申貞愛さんによると、実は韓国人女性の90%がO脚だという。また、うちに曲がったX脚とOX複合脚が残りの10%を占めるとか。

「これは遺伝、人種的特性、老化などが主な原因ですが、一番の要因は生活習慣です。韓国の場合、長く座食生活が生活習慣として定着してきたので、それがO脚を作る重要な原因だと指摘できるでしょう」(申貞愛さん)

つまり、多くの韓国女性がO脚で、ガールズグループたちの多くがO脚を治すための矯正プログラムを受けているというのだった。申貞愛さんも自身が運営するクリニックで美脚矯正エクササイズなどを実施。そこには前出した通り、多くの芸能人たちが通っているというのだ。

脚に5億ウォンの保険をかけた人気アイドルも

韓国では以前、美脚で有名なガールズグループGirl’s Dayのユラが脚に5億ウォン(約5000万円)の保険をかけて話題になったことがあるが、それもそれだけ投資しているからだろう。韓国の“脚線美”には、それだけ時間とお金がかかっているわけだ。

もちろん、日本の“美脚”美人たちも、たゆまぬ努力を繰り返して長くスラリとした“美脚”を作り上げているに違いない。冒頭で紹介した美脚大賞の受賞者たちも、きっと独自の管理法などがあるはずだ。

申貞愛さんも、日本も韓国と同じく座食生活が伝統として長く息づいていたお国柄だけに、状況は大差ないはずと前置きしたあとで、こんなことを言っていた。

「日本も韓国と同じ座式の生活文化があるので、歳を重ねるにつれて骨盤が開いていしまったり、足が曲がる可能性が高いと思われます。ただ、足の曲がり具合があまり目立たなくても、こまめに運動することで脊髄と関節の健康は改善できます。ぜひ日々の努力を怠らないでください」

『美脚大賞』のニュースに触れて、受賞者たちの脚の美しさに感嘆するだけではなく、実際にエクササイズに取り組む。もしかしたら“PRIZE(賞)”やコンテストは、大衆たちの“なりたい自分”願望を刺激する、「スイッチ」の役割も担っているのかもしれない。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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