フェイスブック、ついに実績示す モバイル広告が堅調な伸び、全広告収入の41%を達成
上場以来、常に米フェイスブックにつきまとっていた問題はモバイル対応の遅れ。ユーザーの大半がスマートフォンやタブレット端末で同社のサービスを利用している状況で、モバイル広告の展開が遅れている同社はこの先どう成長できるのかと指摘されていた。
53%増収、黒字転換、株価は急騰
そうしたなか、同社が24日に発表した4〜6月期の決算は、投資家を驚かせると同時に、大いに喜ばせるものだった。
売上高は1年前から53%増の18億1300万ドル。純損益は黒字転換して、3億3300万ドルとなった。注目されていた広告収入は同61%増の16億ドル。このうちモバイル広告が41%を占めた。
フェイスブックの広告収入に占めるモバイル広告の割合は、昨年7〜9月期の14%から、10〜12月期には23%、今年1〜3月期は30%へと伸び、ついに4割を超えたというわけだ。
この決算を好感して、フェイスブックの株価は同日の時間外取引で17%上昇し、31ドル超となった。依然IPOの公開価格38ドルには届かないものの、今後モバイル広告が好調に推移すれば、上場来の最高値も期待できると言われている。
モバイルでも収益を伸ばせることを証明
ネット企業では先頃、米グーグルが決算を発表し、検索連動広告のクリック単価が低下していることが分かった。モバイルへの対応が遅れているため広告単価が低下し、利益を圧迫したと指摘されている。
米ヤフーも決算を発表し、主力のディスプレイ広告の収入が1年前から11%減少したと報告している。
利益率が低いモバイル広告の比率が増える中、この先ネット企業はどう収益を伸ばしていけるのかと懸念されていた。フェイスブックの今回の決算は、そうした企業がモバイル分野でも成長できることを証明したと言われている。
4〜6月期のモバイル広告、昨年半年間の実績上回る
アナリストらが懸念していたように、フェイスブックのサービスにおけるモバイルユーザーは着実に増えている。同社がこの日併せて公表したデータを見ると、1カ月に1度以上サービスを利用する月間アクティブユーザー数は1年前から21%増えて11億5000万人になった。
このうちモバイル端末経由の月間アクティブユーザー数は1年前の5億4300万人から51%増えて8億1900万人。今やアクティブユーザーに占めるモバイルの割合は7割に達しており、1年前の5割強を大きく上回っている。
ちなみに前年同期に当たる昨年4〜6月期の決算は、フェイスブックが上場後に初めて発表したもの。同社はその時点でモバイル広告に着手していたが、収入はほぼゼロという状態だった。
同社のモバイル広告は、その後の7〜9月期で初めて業績に表れ、12月末までの半年間で4億7000万ドルの収入があった。これに対し、今年1〜3月期のモバイル広告は3億7500万ドル、4〜6月期は6億5600万ドルと、昨年の実績を大きく上回っている。
(JBpress:2013年7月26日号に掲載)