台風2号は偏西風に乗るか乗らないかで、本州付近への影響は数日間異なることに
週末に本州の南を通過か?
大型で強い台風2号は沖縄の南で動きが遅くなっています。
最新の予報円をみると、これまでより徐々に東に寄ってきており、予報円の真ん中を進むと、あさって6月1日(木)に宮古島の南に近付き、2日(金)にかけて沖縄本島付近をゆっくりと進んだ後、3日(土)から4日(日)にかけて、若干速度を上げつつ、日本の南を東進する予想となっています。
ただ4日(日)午前9時の予報円は一気に大きくなっていて、直径が約1000キロもあり、この時点で、早ければ八丈島付近に到達している可能性もあれば、まだ奄美大島の名瀬付近に位置していることも考えられる状態です。
さらに、なかにはこの予報円よりもさらに早く日本の東へ遠ざかる計算がある一方、まだ沖縄付近に留まる計算があるなど、週末から週明けにかけての台風2号の予想位置には非常に大きな誤差が生じています。
これは何故かというと、日本付近を流れる偏西風に乗る計算と乗らない計算で、大きく2通りに分かれている状態だからです。
偏西風に乗るか乗らないか?
上図は2日(金)午前9時の日本のGSMモデルによる上空の流れの予想です。
台風2号は太平洋高気圧の縁に沿ってゆっくり沖縄付近を進みつつ、日本付近を流れる偏西風(上空の強い西風)に徐々に乗り、その後、加速しながら週末にかけて日本の南を東進する予想です。
このGSMモデルの予想だと、最新の台風予報円よりもはるかに早く、4日(日)午前9時には日本のはるか東へ遠ざかる計算です。このように日本のモデルはその多くが偏西風に乗って加速する計算が目立っているのに対し、諸外国の計算はこの偏西風には乗れずに、沖縄付近からゆっくり東進し、週明けになってもまだ日本の南でウロウロしているような状態が目立っています。
現在の台風予報円は、日本の速度の速いモデルと諸外国の速度の遅いモデルを平均したような予想となっており、もし今後、日本のモデルのように偏西風に乗れば、一気に進行が早まる可能性もある一方、諸外国のモデル寄りになれば、さらに速度ダウンしてもおかしくない状態です。
週末にかけての台風2号の進行速度には、まだかなり大きな誤差が含まれていますので、今後も最新の台風情報の入手に努めてください。
台風2号と梅雨前線
上述したように台風2号の進行速度に違いはあれど、沖縄付近は長時間の影響を受けることは避けられず、また上図のように日本付近の梅雨前線に湿った空気が流れ込むため、台風2号から離れた本州付近でも大雨の降りやすい状況となるのはほぼ間違いありません。
きのう29日(月)からきょう30日(火)にかけて梅雨入りが発表された九州から東海地方はもちろん、まだ梅雨入りが発表されていない関東甲信地方でも、週末にかけての梅雨前線の大雨に十分な注意が必要です。