【大和郡山市】映画のロケ地にもなった大和民俗公園にある『奈良県立民俗博物館』公開が一時休止になります
矢田丘陵の麓、大和民俗公園にある『奈良県立民俗博物館』
奈良県の小学校の40%が教育学習に訪れるそうです。大和民俗公園を含め、大和郡山市在住・在学の子供さんは遠足などで一度は訪れたことがあるはず。大和郡山市民が子供の時から親しみがある『奈良県立民俗博物館』が7月16日から一時公開休止となります。令和9年度中をめどに、どのような方向で残すのかをこれから検討するそうです。トイレの利用や、遠足で雨が降った時にお弁当を食べるスペースとしての利用は継続されます。
しばしのお別れの前に見学に行ってきました!
『奈良県立民俗博物館』の入り口には、一時公開休止の案内が貼られていました。
民俗資料の移動・整理及び老朽設備改修等のため、展示室を一時公開休止されるそうです。空調設備も故障し、老朽化が否めません。
館内に入ると確かに冷房が効いてません。我慢できないこともないですが、これから酷暑となるため、館内の展示をゆっくり見るのは厳しいかと思われます。スタッフの方も、「来館の際は水分補給とハンディファンなどの暑さ対策をお願いします」と話されていました。
入り口ホールに入ってまず目に付いたのが映画のポスター。
2023年に公開された竹之内豊さん、山田孝之さん主演の映画「唄う六人の女」が、奈良県立民俗博物館のある大和民俗公園で撮影されたそうです。
テーマごとに分けられた展示室
農村の四季・地域のものづくり・川と人のかかわり・昔のくらしの4つのテーマに分けてわかりやすく展示されています。奈良に暮らす人々の生活の推移を理解する大切な資料です。
県指定有形民俗文化財の「奈良県の牛耕用具」
明治から昭和中期に使われた牛耕用具。
細く伸ばした三輪素麺をより(ねじり)をかけながら2本の管に8の字にかける「かけば機」
大和郡山の金魚の出荷の様子
昭和初期の最盛期には、金魚の養殖業者は100件を超えていたそうです。
養殖した金魚を出荷する時に使用した「重ね桶」ふちにS字の金具がつき、桶を重ねられるようになっています。金魚を窒息させずに運ぶことができます。
宇陀・吉野地方で盛んだった製薬と薬売り
売薬行商がお客さんを周る時に風呂敷に包んでかついでいた「売薬行李」行李の中には帳面や薬、おまけに渡す紙風船などを入れていたそうです。
懐かしの面々
小学校の教科書。絵がレトロで可愛いですね。
左右のダイヤルを回してチャンネルや音量を変える「真空管テレビ」
昭和8年ごろに流行した「真空管ラジオ」とてもラジオには見えませんよね。
上の段に氷のかたまりを入れ、下りてくる冷気で下の段の食べ物を冷やす「氷冷蔵庫」氷は毎日氷屋が売りに来ていたそうです。
懐かしのダイヤル式の黒電話
子供の頃、家にありました。今では過去の資料なんですね。
奈良県立民俗博物館の展示品は、文化価値のあるものが多く、テレビ局などから貸出依頼があるそうです。
土日祝日に学芸員の解説があります!
7月15日までの土日祝日の11時〜と14時〜の1日2回、博物館の学芸員の方がわかりやすく展示解説してくれるそうです。興味のある方はぜひご参加ください!
「大和民俗公園」は四季を感じられるおすすめのお散歩コース!
早春の梅から始まり、春の桜、梅雨時期の花菖蒲やあじさい、秋の紅葉など、四季折々の花や草木が楽しめます。26.6 ヘクタールの広大な敷地の公園はランニングやお散歩にもおすすめです!
映画のロケ地となった古民家集落
公園内にある古民家集落は、吉野や宇陀、旧城下町など奈良の集落にあった15軒の古民家を移築復元されています。迫力のある立派な古民家の中の様子を見ることができ、見応えがあります!
この古民家集落で2023年に公開の映画「唄う六人の女」が撮影されました。つい最近も、秋に放送される時代劇のドラマがここで撮影されていたそうです。
山あいの吉野の古民家・旧木村家住宅
杉の木の皮で覆って石を載せた屋根は、この地域ならではのもの。
宇陀の古民家・旧松井家住宅
葺き替えられたばかりの茅葺き屋根が美しい!
宇陀の古民家・旧岩本家住宅(国指定重要文化財)
旧岩本家住宅周辺が「唄う六人の女」の撮影時間が最も長かったそうです。
この古民家集落は、奈良県立民俗博物館の展示が休止中でも見ることができます。年に2回のイベントでは古民家修理現場を公開しています。屋根組みなど、普段見れない古民家の裏側を見ることができます。
映画撮影裏話
「喰う六人の女」の映画撮影の際に、竹野内豊さんが、宿泊していたホテルの美味しいカレーをケータリングサービスで県立民俗博物館のスタッフにもご馳走してくれたそうです。山田孝之さんは、公園の清掃スタッフの方とも自然体で気さくにお話されていたそうです。
改めて見ると、奈良の昔を知る味わい深い展示
久しぶりに『奈良県立民俗博物館』を見学しましたが、展示物は以前に比べだいぶ減っているように感じました。しかし、子供の頃にはあまり興味がなかった展示物を大人になって改めて見ると、大和郡山特産の金魚の運搬の様子や、昔の道具など興味深いものがありました。
7月16日からの展示公開休止まで残りあとわずか!『奈良県立民俗博物館』に訪れる際には充分な暑さ対策をしてお出かけくださいね!
『奈良県立民俗博物館』
住所:大和郡山市矢田町545番地
TEL:0743-53-3171
FAX:0743-53-3173
開館時間:博物館 午前9時〜午後5時(入館は4時半まで)
古民家 午前9時〜午後4時
休館日:毎週月曜日(祝日、振替休日の時は次の平日) 年末年始(12月28日〜1月4日)
※大和民俗公園は年中無休・終日利用できます
入館料:個人 一般200円・大学生等150円
団体(20名以上) 一般150円・大学生等 100円
※小中高生、65歳以上、障がい者(障がい者を介助する者1名を含む)は無料
※公園・民家は無料
駐車場:有り(無料)
駐車場利用時間:午前7時〜午後6時半(6月〜9月は午後7時まで)
アクセス:近鉄郡山駅・JR大和小泉駅から 奈良交通バスで矢田東山バス停下車 北へ徒歩約10分
『奈良県立民俗博物館』公式ホームページ