日本を感動させた『いまあい』も韓国で再解釈。日本映画の韓国リメイクは成功しているのか
かつて日本で大ヒットした映画が韓国で蘇る。映画のタイトルは『いま、会いにゆきます』。市川拓司の同名小説を原作に日本では2004年に公開され、興行収入48億円を記録した、恋愛映画の名作だ。
その名作が韓国でリメイクされ、本日3月14日から韓国でロードショーとなる。
日本版では竹内結子と中村獅童が主演を務めたが、韓国ではヒロインにソン・イェジン、妻に先立たれた夫役をソ・ジソプが演じている。
ソン・イェジンは、『永遠の片想い』『ラブストーリー』『私の頭の中の消しゴム』などでヒロインを務め、韓国では美女・美少女スターの証でもある“国民の初恋”にも選ばれたことがある恋愛映画のアイコン。
ソ・ジソプは日本でも言わずと知れた韓流スター。ふたりの共演は17年ぶりということもあってヒットも期待されているが、個人的に一抹の不安がある。
日本の映像コンテンツが韓国でリメイクされることは、今や珍しいことではない。今年はドラマに映画にと、日本の映像コンテンツが次々と韓国でリメイクされている。
(参考記事:まずは『Mother』が口火を切る!! 今年、韓国でリメイクされる日本のドラマ&映画とは?)
ただ、公開前の期待に比べると興行成績で苦戦しているのだ。
例えば先月14日に公開された『ゴールデンスランバー』。人気俳優カン・ドンウォンが主演し、公開6日目にして100万人を記録するスタートダッシュにこそ成功したが、その後は観客動員数に伸び悩み、結局、138万人しか動員できなかった。
韓国版『ゴールデンスランバー』は、韓国の大統領選挙を絡ませたり、結末も原作とは異なるものにするなど、巧みな“ローカライズ(現地化)”も施されていたが、(実際に観たが日本オリジナル版よりも緊張感もあった)、それでも韓国の映画ファンたちを唸らせるほどではなかったのだ。
それだけに『いま、会いにゆきます』韓国版の行方が気になる。
「原作が持つ物語の枠組みと構造がとてもよかった。そのすべてに、韓国的な情緒と現在の社会的雰囲気を考慮しながら再解釈した」とは、メガホンをとったイ・ジャンフン監督の言葉だが、果たしてどんな工夫が施されているのだろうか。
それにしても改めて感じるのは、韓国映画と日本の関係性だ。『オールドボーイ』が日本の漫画を原作にしていることはあまりに有名だし、『カンナさん大成功です』は『美女はつらいの』(原題)というタイトルで韓国で映画化されている。『白夜行』、『容疑者Xの献身』など日本の小説を映像化した韓国映画も多い。
(参考記事:【スクリーン・コリア】韓国で映画化された日本の原作小説・ドラマの“本当の評判”と成績表)
ただ、2016年に公開された『ラッキー(LUCK-KEY)』以降、日本にまつわる韓国映画で大ヒットした作品はない。同作は堺雅人、香川照之主演の『鍵泥棒のメソッド』をリメイクした韓国映画だが、700万人近い観客動員に成功した。
最近は『リトル・フォレスト』が累計観客動員100万人を突破しているが、韓国の一般の人たちはまだまだ「日本映画イコール、ジブリ作品」というイメージが強く、日本映画の韓国リメイクがジブリ作品以上のインパクトを残せていないのも事実である。
(参考記事:韓国の映画ファンが評価するスタジオジブリ作品のベスト10とワースト1位は?)
はたして『いま、会いにゆきます』韓国版はどうだろうか。その興行成績に注目していきたい。