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イングランド代表戦に臨む日本代表、ワールドカップでの同カードは意識しない?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
6番のリーチは2018年の対戦時もプレー(写真:ロイター/アフロ)

 ラグビー日本代表は現地時間11月12日、敵地のトゥイッケナムスタジアムでイングランド代表と激突。10日に出場メンバーを発表し、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが会見した。

 来秋のワールドカップフランス大会でも予選同組となるが、ジョセフは「いまはワールドカップのことは考えていません」と強調する。

 以下、メンバーと会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

背番号,名前(所属先)…身長・体重・生年月日・キャップ(代表戦=テストマッチ)出場数 ◎=キャプテン

1,稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…186・116・1990/6/2・43

2,坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…180・104・1993/6/21・31 ◎

3,具智元(コベルコ神戸スティーラーズ)…184・122・1994/7/20・19

4,ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)…201・117・2002/4/11・5

5,ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…195・110・1994/10/13・10

6,リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)…189・113・1988/10/7・76

7,姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)…187・108・1994/7/27・23

8,テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス)…183・124・1996/1/2・13

9,流大(東京サントリーサンゴリアス)…166・75・1992/9/4・28

10,山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…176・84・1994/9/21・5

11,ゲラード・ファンデンヒーファー(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)…192・102・1989/4/13・4

12,中村亮土(東京サントリーサンゴリアス)…182・92・1991/6/3・31

13,ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…187・102・1997/5/2・8

14,松島幸太朗(東京サントリーサンゴリアス)…178・87・1993/2/26・45

15,山中亮平(コベルコ神戸スティーラーズ)…188・98・1988/6/22・25

16,堀越康介(東京サントリーサンゴリアス)…175・100・1995/6/2・5

17,クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…186・116・1990/10/29・7

18,木津悠輔(トヨタヴェルブリッツ)…178・112・1995/12/2・5

19,ヴィンピー・ファンデルヴァルト(浦安D-Rocks)…188・112・1989/1/6・20

20,ピーター・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)…189・106・1989/1/11・13

21,齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス)…165・73・1997/8/26・9

22,李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)…176・85・2001/1/13・4

23,シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ)…187・105・1998/12/20・11

「トゥイッケナムでできることにチームとしてわくわくした気持ち。過去トゥイッケナムで試合をしているが、いままでと違う、ユニークな環境です。ティア1チーム(強豪国)とやれることに意義がある。オールブラックス戦でいいパフォーマンスができ、怪我人も出ないなかでこの試合ができる。楽しみです」

 2020年に表立っての活動ができなかった日本代表は、今年10月29日、東京・国立競技場でオールブラックスことニュージーランド代表に31―38と肉薄している。

——オールブラックス戦ではミス、反則を課題に挙げていたが。

「オールブラックス戦では重要な時間帯にミス、ペナルティを犯した。チーム内でもそう話をしている。一貫性を持って話をしていかなきゃいけない部分。ただ、チームとしてはこの強度に慣れなければいけない。ティア1相手には1回のペナルティが勝敗を分ける。土曜、トゥイッケナムでもそれは変わらない。イングランド代表はプレッシャーをかけてくるが、大事な時間帯の遂行力を保つのが重要です」

 さかのぼって2019年のワールドカップ日本大会では、過去優勝1度のイングランド代表が準優勝で日本代表は初の8強入り。

 両チームは2018年11月18日にもトゥイッケナムスタジアムで対戦。イングランド代表が35―15で勝っている。イングランド代表では、当時から前日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ氏が指揮を執る。ジョセフは続ける。

——イングランド代表は来年も対戦予定の相手だが。

「いまはワールドカップのことは考えていません。今週の試合に集中する。各チームとも色んな事を試しているところもあると思いますが、いまは自分たちのチームを作り上げている段階。ワールドカップでは大きなプレッシャーがかかる。今回、プレッシャーがかかる状態で勝てるかを試せる。トゥイッケナムでできることにはわくわくしているし、大きなチャレンジだと思っています。

 土曜には2つの相手がいる。ひとつはイングランド代表、もうひとつはイングランドのファン。しっかり準備しないと空気に飲まれる。23人のメンバーが8万人の前でプレーする準備ができている。その意味ではプレッシャーがない。モチベーションを高くいけると思っています」

 今度のイングランド代表戦へは、オールブラックス戦から先発1名、リザーブ計5名を入れ替えた。

——11番はシオサイア・フィフィタ選手からゲラード・ファンデンヒーファー選手へ変更。

「サイアはポテンシャルがある大切な選手ですが、ミスが多かった。彼の代わりにゲラードを選べた。今週はゲラードに何ができるのかを知るためにチャンスを与えたい。彼はキックが蹴られる。彼にとってはチャレンジになると思いますが、期待して見てみたい」

——19番にファンデルヴァルト選手、20番にラブスカフニ選手と、フォワードの控えに日本大会組を揃えています。

「経験が重要。試合で勝てる位置にいる時、その経験が重要になる。イングランドにも経験のある選手がいるし、自分たちも経験が大事だと思える。若手がいるなか、彼ら(ファンデルヴァルト、ラブスカフニ)は興奮して試合に出るでしょう。経験者がバランスを取ってまとめていくことが重要」

——観客8万人。4年前のイングランド代表戦を経験している選手への期待は。

「大観衆の前でプレーするにはメンタル的にもいい準備をしないといけない。エキサイティングな気持ちのなかで、緊張をほぐしてもらいたい。リーチ、姫野ら経験者が、その思いを新しい選手に伝えてくれているのは自分たちにとってもいいことです」

——日本代表のチーム状態について。

「チームとしてはまだまだ成長している。前回のワールドカップから選手を移行させ、変えている部分があります。この3年間、ラグビーをしっかりできていないところもあります(2020年の活動がなかった)。パンデミックで経験という意味では遅れている。

 このテストマッチをしっかりとやり、たとえるなら車を前進させなければいけない。オールブラックス戦までに、チーム内でのコンビネーション、ペースはできてきている。これを継続させることが必要で、そうできていると思います」

 勝負に挑みながら、圧力下におけるプレースタイルの遂行力を確かめたい日本代表。蹴り合いを経ての組織的な攻め、鋭い出足の防御の完成度をどこまで高められるか。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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