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【年度内五冠ロード】藤井聡太竜王、勝てば王将挑戦権獲得! 11月19日に2番手・近藤誠也七段と決戦

松本博文将棋ライター

 11月19日。東京・将棋会館において第71期ALSOK杯王将戦・挑戦者決定リーグ▲藤井聡太竜王(19歳)-△近藤誠也七段(25歳)戦がおこなわれます。棋譜は公式ページをご覧ください。

 現在リーグトップを走るのは藤井竜王。糸谷哲郎八段、広瀬章人八段、豊島将之九段(前竜王)、羽生善治九段と並み居る強豪を連破して、現在4勝0敗です。

 現在2番手なのは近藤七段。初戦で羽生九段に敗れたあとは糸谷八段、広瀬八段、永瀬拓矢王座と順に破って3勝1敗です。

 本局は成績1番手の藤井竜王と、2番手の近藤七段が対戦するという構図です。

 藤井竜王が本局に勝てば、藤井5勝0敗、近藤3勝2敗。藤井竜王は最終戦を待たずして挑戦権獲得が決まります。

 近藤七段が勝てば4勝1敗で藤井、近藤が並びます。その場合には3勝2敗の永瀬拓矢王座、羽生善治九段にも最終戦の結果次第でプレーオフ進出の可能性が残されます。

 両者の過去の対戦成績は藤井4勝、近藤1勝です。

 近藤現七段の1勝は、2018年度C級1組順位戦において。昇級を争う中での、値千金の勝利でした。

 藤井新竜王は先日、竜王位を獲得し、史上最年少四冠となったばかり。さらには王将位挑戦、獲得となれば、年度内に五冠達成です。

「藤井の王将挑戦、五冠達成はもう間違いない!」

 そうした声も聞かれるようになりました。しかしもちろん、そう簡単なことではありません。一昨年、藤井七段は最終戦で広瀬竜王(肩書はいずれも当時)に逆転負けを喫し、王将挑戦の機会を逃しています。

 近藤七段がC級1組順位戦の時と同様に、再び藤井快進撃をはばむストッパー役となり、自身の道を切り開いていく可能性も十分にあります。

 11月19日には本局のほかに、A級順位戦の4局もおこなわれます。将棋ファンにとっては熱く長い一日になりそうです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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