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エンビードはMVPを獲るか?PlayOffは?

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 現地時間4日、火曜日の夜、フィラデルフィア・セブンティシクサーズがボストン・セルティックスを103-101で振り切った。シクサーズのエースであるジョエル・エンビードは、52得点、13リバウンド、6アシストという圧倒的なパフォーマンスを見せた。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 シクサーズのドック・リバース監督は、試合後「MVPレースは終わった。マジだ。彼は、NBAの一試合でわがチームの得点の半分を稼いだんだ。僕は偏見を持っているが、MVPレースは終わったさ」と語った。

 確かに今季のエンビードは大車輪の活躍を見せている。リバースの発言も頷ける。が、このままなら3位でフィニッシュしてプレイオフに挑むシクサーズは、エンビード一人に頼り切りだ。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 4日のセルティックス戦でも、シクサーズの抱えるその問題が露になった。この夜、エンビードは39分間プレーした。その間にシクサーズはセルティックスに17点のリードを奪う。が、背番号21のセンターが休んでいた9分の間に、シクサーズは15点のビハインドを負った。

 一度エンビードがベンチに下がれば、シクサーズは簡単に崩壊する。プレイオフで、エンビードのプレー時間が増えることは確実だが、それでも休息は必要だ。過去に膝を痛めてコートを去る姿も目にしている……。

 シクサーズが、エンビード無しでゲームを上手く運び、短期決戦で勝ち上がれるのか…と、どうしても案じざるを得ない。

 カメルーン国籍で213cmのファイターは、今日のNBAを代表するセンターだ。MVPを獲らせてやりたい。だが、一人が図抜けていてもプレイオフは勝ち上がれない。シクサーズの他のメンバーの奮起を期待したい。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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