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まさかの先発転向も?“リリーフ一筋”五十嵐亮太がメキシコでエース級の快投続ける

田尻耕太郎スポーツライター
ソフトバンクではリリーバーとして活躍

8回1安打12K無失点の完ぺきピッチング!

日本で一度も先発のない速球王が、異国の地でエース級の働きを見せている。

メキシコ・ウインターリーグで武者修行をしている福岡ソフトバンクホークスの五十嵐亮太が、現地16日のAguilas de Mexicaliとのビジターゲームで前回に続き先発登板した。

報告を聞くホークス球団関係者も驚きの快投を見せている。この日は8回を投げて被安打わずか1本に抑え、三振は12個を奪い、無失点に抑えた。チームの6対1の勝利に大きく貢献した。

中5日で先発。防御率は0点台

前回登板も先発だった。6回途中2失点で勝利投手となり、中5日空けたマウンドでの快投ぶりだ。ここまで4試合に登板して3勝0敗。計18.1回を投げて2失点しかしておらず、防御率0.98をマークしている。

五十嵐といえばヤクルト、ソフトバンクさらにメジャーリーグでもリリーフ一筋の投手。NPBでのデビューから連続救援登板708試合の、断トツの日本記録保持者なのだ(2位は藤田宗一の600試合)。

なぜメキシコで先発要員として投げているのか。

珍事情も、常に前向きな性格が奏功

これには、まさかの珍事情があった。

本人が自身のフェイスブックで明かしている。

「契約してGM、監督と初顔合わせでいきなり先発としてとったというまさかの発言が…(中略)

メッツ時代、先発やってたってコーチ(元キャッチャーのチームメイト)から聞いていたと困った様子で。嘘ついていませんしアメリカに限らずやってません。と話したら

本当か?

はい!

ん?

まさか。。。

それ高橋 尚成さんだし!

そんな感じでしょっぱな2イニング、次中4日で3イニング。

そして先発という流れ」

出典:五十嵐亮太Facebookより

それでも、「1試合目、2試合目と中継ぎとして長いイニングを投げたのが新鮮で今までとは違う刺激もあり、もうちょっとやってみる価値あるなと感じ本日(最初の先発日)に至りました。結果、先発と中継ぎ、精神的な事から含めて全然違う。ここで語れる体力今ないけどこの経験をこの歳で出来たことは本当に良かったと思っています。次はどうなるかわからないけど、感じ良くなってきたし、また次のステップを踏めるといいな」(同引用)と、前向きなコメント。

常にポジティブシンキングな、いかにも五十嵐らしい発想が、この快投につながっているのだろう。

果たして、このまま先発要員として、メキシコ武者修行を過ごしていくのか。

ところで、ホークスの場合、先発陣は豊富。むしろ手薄なリリーフ陣にあって五十嵐の完全復調が待たれるところなのだ。ただ、このピッチングならば激戦必至のホークス先発ローテ争いでも勝ち抜けるのではと、思ってしまうほどの現在の充実ぶりだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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