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櫻川ソロモンを知っているか。無限のポテンシャルを秘めたパリ五輪のエース候補がジェフ千葉にトップ昇格

河治良幸スポーツジャーナリスト
U-18代表エースの櫻川ソロモン(photo:Yoshiyuki Kawaji)

ジェフユナイテッド市原・千葉は櫻川ソロモン(18)のトップ昇格を発表しました。クラブの公式サイトでは次のようにコメントしています。

「トップチーム昇格が決まりました。ジェフユナイテッド市原・千葉U-18の櫻川ソロモンです。小さい頃から温かく成長させてくれたこのクラブでプロキャリアを始められることをとてもうれしく思います。これからも感謝と謙虚さを忘れずに日々レベルアップして、結果という形で恩返しできるように頑張りたいと思います。熱い応援をよろしくお願いします。」

Photo:Yoshiyuki Kawaji
Photo:Yoshiyuki Kawaji

正直、昇格の情報としてはリリースが非常に遅かったので別の選択をした可能性も考えていましたが、地元の千葉市で生まれ育ち、アカデミーのU-15から在籍しているジェフでのトップ昇格ということでファンサポーターもホット一安心というところでしょう。

もちろん熱心なジェフのファンサポーターはその存在を知っていると思いますが、2001年生まれの櫻川は2024年のパリ五輪に向けたエース候補として期待される大型FWです。190cm・89kgという圧巻のサイズはもちろん、迷いのないフィニッシュやクロスボールに合わせるセンスなど、日本人FWとしては底知れないポテンシャルを秘めています。また各年代のエース格として多くの海外遠征を経験しており、屈強なDFにも気後れすることなく挑んで行けるタレントです。

ナイジェリア人の父と日本人の母を両親に持つ櫻川ソロモン。再来年のU-20W杯を目指すU-18日本代表として鹿島アントラーズ内定のFW染野唯月(尚志高校)らとしのぎを削っており、キャプテンとして青森山田高校をU-18プレミアリーグ制覇を支えた浦和レッズ内定の武田英寿、来年からは今年のU-20W杯、さらにU-17W杯で活躍したセレッソ大阪内定の西川潤(桐光学園)、鋭い突破で横浜FCのJ1昇格に貢献した斉藤光毅、すでにサガン鳥栖の主力を担う松岡大起と言ったタレントとの共演が期待されます。

U-18日本代表でコンビを組む染野(鹿島内定)との2トップは相手の脅威(Photo: Yoshiyuki Kawaji)
U-18日本代表でコンビを組む染野(鹿島内定)との2トップは相手の脅威(Photo: Yoshiyuki Kawaji)

まだ精神的に少しやんちゃな面もあるという櫻川ですが、規律に厳しいユン・ジョンファン新監督のもとで研鑽を積めば、遠からずJ1昇格を目指すジェフのエースに成長する可能性は十分にありますし、ゆくゆくは国際的に活躍するべきタレントでもあります。東京五輪の候補と言うには時期尚早ですが、パリ五輪を目指す世代を西川らと盛り上げていくべき選手です。

もちろん年代的には同期である久保建英(マジョルカ)と同じピッチに立つ時が来ることも期待されますが、まずはU-20W杯に向けたアジア予選(AFC U-19選手権)やジェフでの躍動を見届けたいと思います。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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