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台風が遠ざかるも九州~東北の各地で大雨警報級!南の海上では2つの熱帯低気圧が発生へ:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
15日9時の予想天気図(気象庁HPより)。前線に向かって台風周辺の暖湿気が流入。

15日は台風13号が次第に遠ざかっていきますが、台風周辺の暖かく湿った空気の流れ込みは続き、さらには東北付近に前線もかかる影響で、雨のところが多くなりそうです。
特に九州~東北ではあちらこちらで警報級の大雨となるおそれがあります。

一方、南の海上では16日にかけて2つの熱帯低気圧が発生する予想で、今後もしばらく熱帯低気圧や台風の影響を受けやすい季節が続きそうです。
週明けの天気の見通しも含め、気象予報士が解説します。

15日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
15日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

15日は沖縄と北海道では時間とともに天気が回復に向かいますが、九州~東北では日中も雨が降りやすいところが多いでしょう。

特に、台風周辺の暖湿気が流れ込む九州南部・四国~東海や、前線の雨雲がかかる東北・北陸~山陰を中心に、滝のような非常に激しい雨が降るおそれがあります。

本州の中では比較的晴れ間のある関東甲信でも、午後は局地的な雷雨がありそうです。

16日朝には南の海上に2つの熱帯低気圧…相互に影響し合うか

16日9時の予想天気図(気象庁HPより)
16日9時の予想天気図(気象庁HPより)

日本の南の海上では、15日の朝の時点で1つ(フィリピンの東)、そして16日朝にはもう1つ(1つ目のさらに東側)に熱帯低気圧が発生する見通しです。

発生時点では1,500kmほど離れている2つですが、このさき北上しながら距離が縮まることが予想され、近くなることによってお互いの進路や発達具合に影響を及ぼし合い、複雑な経路をたどる可能性があります。

そうなると先の予測が難しく、夏季のような"迷走台風"になるおそれも。秋雨前線とセットで大雨というシナリオも考えられるため、今後も最新の情報をこまめに確認する必要があります。

週間予報(気象庁HPを元に作成)。
週間予報(気象庁HPを元に作成)。

前述の熱帯低気圧が日本列島に近づくのはまだ先のことになりそうですが、その前に秋雨前線の影響で19日(木)頃から全国的に雨のところが多くなりそうです。

そのぶん暑さは抑えられますが、急激な気温変化になる地域もあるため、できるだけ体に負担をかけないようにして過ごしましょう。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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