グーグル最新AIは「昔の写真もぼけ補正」 Pixel 7に搭載
10月6日、グーグルがスマホ新製品「Pixel 7」の詳細を発表しました。昔の写真のぼけを補正したり、光学レンズと機械学習で望遠撮影を強化したりと、今回もグーグルの最新AI技術が投入されています。
ぼけ補正や望遠にAIを活用
最近のPixelシリーズの大きな売りは、グーグルの最新AI技術を搭載しているという点です。ほかのAndroid端末にはないPixelだけの機能として、グーグルは差別化を図っています。
その1つとして、Pixel 7シリーズは写真のピンぼけをAIで補正できる機能を搭載しています。
追記:
当初、本記事では「手ぶれ補正」と書いていましたが、グーグルは日本向けの説明を「ぼけ補正」としているため、記事を修正しました。
この機能は、新しいプロセッサー「Tensor G2」を活用したGoogleフォトの新機能という位置付けです。カメラに依存した機能ではなく、昔の写真や、Pixel以外のカメラで撮った写真も補正できるとのことです。
AIでぼけを補正するアプリやサービスはすでにあるものの、パソコン上での処理に数十秒から数分はかかるイメージでした。グーグルの独自プロセッサーでどこまで実用的に使えるものなのか、早く実機を試してみたいところです。
背面カメラでは、Pixel 7とPixel 7 Proの両機種ともに超解像ズームによる「2倍」撮影に対応。光学2倍に近い画質の写真を生成できるとしています。
さらにPixel 7 Proは光学5倍の望遠カメラを搭載。超解像ズームによる光学10倍相当の撮影が可能になり、20倍でも機械学習によって解像度を高めたといいます。デジタルズームはシリーズ最大となる30倍まで対応しています。
また、光学1倍と5倍の中間となる「3倍」や「4倍」について、画質が下がってしまうスマホがあるのに対して、Pixel 7 Proでは光学5倍カメラと機械学習の活用によって高い画質を得られるといいます。
こうした機能向上により、グーグルは「レンズ交換式の一眼カメラはもう必要ない」とアピールしました。
Pixel 7の新機能を見ていると、まるで最近流行の画像生成AIのように、元の写真をヒントにAIが写真を描き直しているような印象を受けます。
プロセッサーの性能向上に伴い、スマホで実行できるAI処理はどんどん高度になっています。「それは写真といえるのか」という疑問も同時に高まるところではありますが、この競争が止まることはなさそうです。
価格上昇は抑えめ
米国での価格は、Pixel 7が599ドル、Pixel 7 Proが899ドル(いずれも税抜)と、前モデルから据え置きを実現。今回もiPhoneより確実に安いラインを狙っている印象です。
円安で気になる日本での価格は、Pixel 7が8万2500円、Pixel 7 Proが12万4300円(いずれも税込)となりました。
Pixel 6aの価格設定に比べると円安の影響を受けていると考えられるものの、税抜価格で比べると1ドル=125円程度と、現在の水準からすればまだまだ割安といってよいでしょう。国内ではauとソフトバンクが取り扱いを発表しています。