台風26号フィリピンに上陸 すでに約1,000ミリの降水記録
今日16日(土)午後、台風26号はフィリピンの中部サマール島に上陸しました。上陸時の中心気圧は998hPaと、決して勢力の強い台風ではなかったのですが、すでにフィリピンに大きな被害をもたらしています。
上陸前の54時間に降った雨の量は973mmと、約2日間で1メートル近い雨が観測されています。なおそのうち780ミリは24時間に降りました。
豪雨の原因は、26号が停滞していたことです。下のNOAAの赤外画像からは、背の高い発達した雲の存在を表す、白や黒の部分が、サマール島にかかっているのがわかります。
CNNによると、これまでのところ3名が死亡し、セブ等など多くの島々で洪水が発生している模様です。また2013年台風30号(ハイエン)で壊滅的被害が出たタクロバンなどでは「災害宣言(State of Calamity)」が発令され警戒態勢が引かれています。
今後の予想
気象庁によると、26号は17日(日)にかけて、勢力を維持したまま、フィリピン中部をゆっくりと横断する見込みです。NOAAによると、同地域は今後さらに400ミリ以上の大雨が予想されています。
台風27号の卵の行方
台風26号が去っても、さらに大雨の脅威は続くかもしれません。
フィリピンの気象庁は、来週には再び別の台風が上陸する可能性があると警戒を強めています。現在26号の東の海上には熱帯低気圧が発生しているのですが、これが台風に発達して、22日から23日頃にフィリピン中部か南部のミンダナオ島に上陸する恐れもあるようです。
ラニーニャと台風
そもそも12月には毎年のように台風がフィリピンに上陸をしていますが、今冬はラニーニャ現象との関連もあって、暖かい海水温により通常より多くの台風がフィリピン近海で発生する可能性も考えられます。