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【横須賀市】古きドブ板の文化を復活させたい!隠れ家の絶品タコス★GILDAや60年代の情報求む!

うみのとなり地域クリエイター(横須賀市)

横須賀の美味しい情報を発信!うみちゃんです。

美味しいお店やロケーションが良くて気持ち良いお店など、横須賀には多くの素敵なお店がありますね。

どのお店にも、ご主人の想いやお店のストーリーがあります。

今回、ご紹介するお店は汐入駅から徒歩3分のところにある、バー・ライブライブハウス Hideaway(ハイダウェイ)。

歩き疲れてコーヒーを求めて、たまたま入ったところ思いがけない横須賀の古い歴史に出会うことができました。

見たことがない世界

照明は控えめで柔らかいライトが灯る落ち着いた店内。

60年代の映画の世界のようなレトロな雰囲気です。

立派な一枚板のバーカウンターがあります。

天井と棚のライトのターコイズブルーが鮮やかで美しいです。

カフェメニューです。

ドリップコーヒーやお茶、ジュースなどソフトドリンクが充実

アルコール類はビールや焼酎、日本酒など揃っています。

お好きなカクテルを注文して作ってもらうことも可能ですよ。

食事メニューにはホットサンドやホットドッグ、タコス、ナチョスなど種類豊富です。

フライドメニューはフライドポテトやバックフィッシュ、カキフライ、チキンナゲットなど充実しています。どれもお酒に合いそうです。

Sサイズもあるので、少しずついろんな種類を注文するのも楽しいですね。

今回は、ランチを兼ねてドリップコーヒータコスを注文しました。

タコスにはポテトチップスとパセリがついており、なんだか嬉しくなります。

中にはレタスやトマトなどの野菜やお肉やチーズがたっぷり

タコスの皮はパリパリではなく、クレープ生地のようにふんわり柔らかいです。

包み紙を持って、ワンハンドでいただきます。

野菜は新鮮でシャキシャキしており、お肉はスパイシー、マイルドなサルサソースも絶品です。ハバネロも出してくれるので、辛いのがお好きな方はかけて辛さを追加することができますよ。

タコスを食べながら、ポテトチップスを食べると塩加減がちょうど良くて、どんどん食べ進めてしまう美味しさです。

食後は、こだわりのコーヒーで一息。

淹れたてのコーヒーの独特の香ばしい香りに癒されます。

苦味と酸味のバランスが良く、すっきりと飲みやすいです。

お店の歴史

食事後に改めて店内を見渡すと、周囲にはヴィンテージのランプや船に関わりのあるグッズが飾られています。

米海軍の軍艦や部隊の記念盾もあります。

振り子時計や温度計も古そうですね。

外国人のお客様が置いていったという車のナンバープレートも飾られています。

筆者はあまり知識がなく「古い貴重なものに感動」するだけで、もどかしいですが、知識がある方が見れば、きっとそれぞれの価値が分かると思います。

「こんな趣のあるお店がドブ板にあったのですね」と店長さんに声をかけると「Hideaway自体は約30年続いているお店です。2年前に僕に代替わりしました。備え付けてあるランプや飾りはそのままですが、内装等は一部手を加えました」と教えてくれました。

勝手口だったところにステンドドアを設置。

古き趣のある店内に外の柔らかい光が差し込み、より一層、レトロな雰囲気を醸し出しています。

Hideawayよりも以前のお店は?

出典:双木 俊介 歴史地理学野外研究 第17号 39~49 2016「横須賀における米軍向け歓楽街の形成と変化」
出典:双木 俊介 歴史地理学野外研究 第17号 39~49 2016「横須賀における米軍向け歓楽街の形成と変化」

戦後、横須賀では進駐した米兵向けの土産品店や飲食, サービス業が急速に発展し、米兵向け歓楽街の形成されていきました。

米兵向けの店舗が集中するのは,1横須賀駅から汐留駅(現,汐入駅),本町にかけての米軍基地(ベース)沿いである。この地区にはスーベニヤとともにキャバレーやバーなどの飲食店が多数みられた。

引用:双木 俊介 歴史地理学野外研究 第17号 39~49 2016「横須賀における米軍向け歓楽街の形成と変化」

「この看板も貴重なんですよ」と見せて下さったのは、"GRADE A"と書かれた看板です。錆びており、劣化をしています。

調べてみると、”GRADE A”とは「A級飲食店」の意味。

A級飲食店とは,昭和28年に発足した「横須賀市A級倶楽部」に加入した店舗。この組合により「保健衛生」の観点から「優秀」とされた店舗は、店先に「A級店舗」の看板をかかげることが許された。昭和28年には横須賀市内で 102軒をこえる店舗が「A級店舗」として許可されたという。
引用:歴史地理学野外研究 第17号 39~49 2016「横須賀における米軍向け歓楽街の形成と変化」

Hideawayの前の店舗がA級飲食店として、営業していたということですね。

さらに驚愕の事実が!

「店内を改装している時に見つけたんですよ」と見せて下ったのはお店の名前が書かれた外箱です。

”YOKOSUKA HONCHO 3-11”と住所は同じで、Hideawayの前のお店はGILDAというバーということが判明したそうです。

裏には系列店と思われるATOMICのお店の住所が書かれています。

店長さんによると、昔は1階はバー、2階は進駐兵相手の「パンパン」と呼ばれる娼婦が連れ込む場として営業するお店が多かったとのこと。

GILDAもその形態のお店だったようです。

2階はライブハウスとして

2階も広いスペースに改修しています。ライトや音響設備、プロジェクターを設置し、ライブ会場として使用しています。

天井は取り払い、あえて梁を見せるインテリアになっています。

ドブ板通りに面した大きな窓からは明るい光と爽やかな風が吹き込みます。

なんとも言えない独特な雰囲気です。

窓は錆びて開けることができなかったそうです。

古い建物が店長さんの手によって、息を吹き返しました

ドブ板文化をもう一度

1961年のドブ板通りの写真を見せて下さいました。目を凝らすと右側に「GILDA」の看板が見えています。

「横須賀市では、建物の老朽化や都市計画などで建て替えられ、古いビルもなくなってきている。ドブ板のバー文化が廃れてきて、客足などもチェーン店などに移っているのが寂しい。ドブ板のバーの文化をもう一度復活させたい」と店長さんは話します。

1960年代にドブ板で、よく食べられていたタコスやホットドッグなどをメニューに採用。

薄れつつあるドブ板の歴史を辿り、復活させています。

ドブ板、GILDAの情報求む!

Hideawayの店長さんはGILDAが営業していた1960年代の情報を探しています。

画像や思い出、食べた物など何でも結構です。

情報をお持ちの方は、店舗までご連絡くださいますようお願いいたします。

「昔は、ドブ板通りは危険な地域で、女性が歩くことができなかった」と多くの人から聞いていました。

Hideawayに入った際に”見たことがない世界”と感じたのは、女性が立ち入ることができなかった古きドブ板カルチャーに初めて触れたかもしれません。

Hideawayとは英語で「隠れ家」という意味。

皆さんもぜひ足をお運びください。

Hideaway(ハイダウェイ)
横須賀市本町3-11
電話:046-825-9525
営業時間 14:00 ~ 23:00(フードL.O 22:00)
定休日 日曜日
【参考文献】
双木 俊介 歴史地理学野外研究 第17号 39~49 2016「横須賀における米軍向け歓楽街の形成と変化」

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地域クリエイター(横須賀市)

広報・営業・マーケティング歴約20年、ライター歴5年 「横須賀っていいな」「行きたいな、住みたいな」と思ってもらえる情報を発信しています。 地元の人々の温かさと魅力を伝えたい! 月間MVA2023年7月、2024年7月受賞 取材希望の方はSNSからお気軽にDMくださいね。

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