「鬼滅の刃」の興収史上最高額に ネット大歓喜で「次は400億円」の声も カギは「エヴァ」
人気アニメ「鬼滅の刃」の劇場版「無限列車編」の興行収入(興収)が、「千と千尋の神隠し」(約317億円)を超え、ついに史上最高額なりました。28日正午にメディアが「興収約325億円」と報じると、ツイッターでは喜びの声と共に「次は400億円」という、気の早い声も飛び出すなど大きく盛り上がっています。
今回のポイントは「千と千尋」の累計興収を年内に捕らえたことです(しかも上方修正された数字を超えた)。そして、もう一つ言えば、「12月21日~27日」の週の興収が約13.1億円になったことも驚異的でした。前週(12月14日~20日)は約8.8億円でしたから何と約5割増になります。
週の興収は時間経過とともに落ちるのが普通ですし、10月16日の公開から2カ月半が経過して、なお週の興収が10億円をキープしています。これを予想できる人はいないでしょう。
そもそも公開直後の10月下旬の時点で、「鬼滅の刃」の初週の驚異的な興収(約46.2億円)を受けて、アニメの業界関係者に「興収はどこまで行く?」と聞いたのですが、「300億円に届く」と即答した人は、少数派でした。初週の興収を見ても、なお懐疑的だったぐらい、異例中の異例の快進撃だったわけです。
なおSNS全盛の時代らしく、ツイッターでは日曜日(27日)から「鬼滅の刃」の興収が史上1位になったらしい……という話?が出て、リツイートするような形でフライングの“お祝い”があり、「興行収入1位」がトレンド入りしていました。また28日正午に「興収約325億円」と報じられると、「次は350億円」「400億円」という応援ツイートもありました。
さて今後ですが、ここから先は「未知の世界」です。週の興収の減少幅が、緩やかなことを考えると興収350億円の到達は可能でしょう。しかし史上最高額の突破を受けて、ファンの興味が一気に薄れる(映画館に足を運ばなくなる)可能性は否定できません。
そしてその上の400億円になるには、一つの「壁」が立ちはだかります。来年1月23日に公開されるアニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」です。ちなみに配給は東宝、東映、カラーになります。
「エヴァ」へのスクリーン数に加え、作品の反響次第ではありますが、ファンの興味が「鬼滅」から「エヴァ」に流れるのは避けようがありません。そして「鬼滅の刃」の大ヒットについて、「スクリーン数の多さ」を指摘する声は少なくありません。つまり「エヴァ」のスクリーン数と興収について、関係者は相当注目するでしょう。そういう意味では、興収最高記録を突破しても「鬼滅の刃」の興収動向は依然として気になることになりそうです。