トナカイさんへ伝える話(3)「37.5度以上が4日、基準でなく目安」発言の既視感
目まぐるしくコロナ関連のニュースが続き、つい数日前のことでも忘れそうになりがち。つい1週間ほど前の5月8日、加藤厚生労働大臣の記者会見での発言内容に批判が上がったことを覚えていますか。
加藤大臣の発言は、医療機関を受診する際の基準とされてきた「37.5度以上の発熱が4日以上続く」という説明について。
「目安ということが、相談とか、あるいは受診の一つの基準のように…。我々から見れば誤解でありますけれど…」
ど、どひゃ〜。最近では「誤解を招いたのであれば謝罪します」というテンプレ謝罪がとかく批判の対象になりますが、ここへ来て「我々から見れば誤解」という言葉で責任回避されるとはオモワナカッタ……。
たとえば、「コロナ専門家有志の会」(政府対策本部の専門家会議や厚労省クラスター対策班等の関係者で組織された専門家の有志の会)が公開しているnoteの4月8日記事では、「体調が悪いときにすること」として「#うちで治そう」「#4日間はうちで」と大変わかりやすく示されています。
普通に読んだら、「4日間は家で様子を見て、それでも悪かったら受診しましょう」と呼びかけられていると受け取ります。(※このあと、5月8日に更新された記事「#うちで治そう」「#4日間はうちで」の表示はなくなりました)
5月8日に厚労省から発表された新しい相談・受診の目安では、「37.5度以上の発熱が4日以上」が削除されていました。これも「誤解を招くから」ということなのでしょうか……。
私は医療の専門家ではないので、こういった方針の是非についてここで書くつもりは全然ないのですが、ただ、この加藤大臣の「我々から見れば誤解」という発言については、「これどっかで見た光景だな」と思いましたので、その既視感についてちょっと書いてみたいと思います。
※この記事は、性暴力を取材するライターが書いています。有料部分で書いているのも性暴力についてです。
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