50歳の現役Jリーガー三浦知良。前園真聖が語る「サッカーが好き」という“カズさんにしかできないこと”
2017年のJ2リーグが開幕する2月26日、横浜FCに所属する三浦知良選手が50歳の誕生日を迎えた。15歳で、単身、ブラジルへと渡り、18歳で名門サントスとプロ契約。“サッカー王国”でプロ契約を勝ち取ってから32年目を迎えた今もなお、プロの舞台に身を置くカズさん。そのすごさについて、前園真聖さんに話を聞いた。
ーー2月25日にJリーグの2017年シーズンが開幕。前園さんには新シーズンの見どころについて話をうかがいましたが、2月26日、カズさんが50歳でJ2の開幕を迎えます。前園さんはグアムの自主トレなどでもカズさんと接していますが、50歳でのJリーガー、このすごさについて、あらためてどう感じますか?
「毎年見ているので、50歳ってすごいんですけど、『普通にやるんだろうな』という感覚になってきています。カズさんのグアムの自主トレにも、自分はもう8年くらい行っているんですけど、衰えなんて見えないし、逆に『いろいろ学んで伸ばそう』『もっとうまくなりたい』ということをずっと追求して、トレーニングを変えていったりしています。理由は、ただ『サッカーが好きだから』と。カズさん自身も『前のシーズンよりも点を取りたい』『スタメンで長い時間出場したい』とおっしゃっているので、僕も楽しみでしかないですね。50歳で現役選手としてやれる体力や技術はもちろんそうですけど、精神的な部分、メンタルの強さこそ、カズさんにしかできないことなんじゃないかなと思います」
ーー具体的には?
「シーズン通して、試合に出る機会が少なかったり、ベンチにいたり、ベンチを外れたりをする中でも、常にいいコンディションと、いいモチベーションを保って試合の準備をしている。それはなかなかできないと思うし、そこが一番すごいと思います。“普通の選手”じゃないですし、一流で、いろんなことを経験してきた選手が、それをやれと言われてもなかなかできない。サッカーに対する情熱、カズさんの姿勢には尊敬の念しかないですね」
「J2開幕の2月26日が誕生日ですし、試合に出て、何かをやってくれるような気がする。本当に楽しみですよね。対戦相手もそうですし、一緒にやれているチームメートは、カズさんのプレーやサッカーに取り組む姿勢を間近で見られるので、すごくうらやましいです」
ーー箱根駅伝3連覇を果たした青山学院大学の練習メニューも取り入れようとしていましたよね。
「関西の『戦え!スポーツ内閣』という番組で、司会の武井壮がカズさんの取材に行ったとき、あいつ足が速いじゃないですか、そうしたら逆にカズさんから『どうやったら速く走れるのか?』と逆取材というか、すごく聞かれたらしくて、そういうところだと思うんです。あんなにいろんな知識と経験を持っている人が、もう一回、いろんなところに目を向けて、目線を下げて質問をしたり、聞いてきたり、その姿勢がずっと続けられる秘訣だと思いますし、うまくなるために何でも吸収しようとする姿勢が本当に素晴らしいと思います」
「他のスポーツでもそうでしょうけど、ある程度、ベテランになると、ちょっと調整したりとか、若手とは違うメニューにすることもあると思うんです。でも、カズさんは同じメニューをこなすし、さらにプラスしてトレーニングをする。今シーズンも、本当に楽しみですね」
50歳で迎える、カズさんの2017年シーズン。前園さんの言葉どおり、本当に楽しみでしかない。