インドのサイクロンが日本に雪を降らせる 週なかばは気温急低下も
12日、サイクロン「フッドフッド」が、インドに上陸しました。暴風雨に加え、ヒマラヤの高地には季節外れの大雪を降らせ、登山者などが犠牲に。この遠く離れたサイクロンが、日本の天気にも影響を与えます。
サイクロンとは?
サイクロンは、簡単に言うと、台風と同じものです。インド洋や南太平洋で発生します。発生する場所が違うだけで、台風と同じ熱帯の空気でできた発達した低気圧です。
アジアだと、タイなどを通る東経100度より西がサイクロン、東が台風と、国際的に決められていて、たとえば台風が西へ進み、東経100度をまたげば、サイクロンと呼び名が変わります。
サイクロンが上陸すると日本は寒くなる
過去、サイクロンが上陸すると、日本で気温が急低下することが、度々ありました。
昨年は、インドにサイクロン「ファイリン」が上陸したあと、10月なのに各地で30℃を超えていた日本の気温は急低下。
2008年5月、ミャンマーに上陸して、13万人以上の犠牲者を出したサイクロン「ナルギス」のあとも、日本は平年を大幅に下回る気温に。
また、2007年11月、バングラデシュに上陸して、4千人以上の犠牲者を出したサイクロン「シドル」の直後も、今回と似た状況で寒気が南下してきました。
なぜ日本で気温が下がるのか?
サイクロンは、南から熱帯の暖気を運んで北上します。今回だと、インド周辺では、暖かい空気が北へ盛り上がる形となります。
そうすると大気が波打ち、その東西数千キロでは寒気が南へ下がる形で、日本にも一部が来ます。
こっちを押せば、あっちが出っ張る、といった感じですね。天気は、暖気と寒気のシーソーゲームで成り立っています。
北海道では初雪 本州でも気温が低下
この地球大気のバランス運動によって、日本に寒気がやってきます。
タイミングは、21日(火)夜~22日(水)。北海道の日本海側では平地でも雪が降りやすく、北部や内陸は積雪する所も。
さすがに本州の平地では雪はまだですが、朝晩は冷えやすくなり、特に東北・関東あたりはガクッと気温が下がります。
今回の寒気は一時的ですが、北海道では車のタイヤなど困らないようにしておきたいですね。