色鮮やかな花鳥画で知られ、国内外で高い人気を誇る江戸時代の画家、伊藤若冲。その若冲が70代の頃に描いた“激レア”な巻物が新発見され、京都・嵐山の福田美術館で世界で初めて一般公開されています。

新発見の巻物「果蔬図巻」

福田美術館がこの作品「果蔬図巻」（かそずかん）を手に入れたのは、2023年のこと。もともとは長年ヨーロッパ在住の個人が所蔵していたもので、4ヶ月かけて応急処置が実施され、2024年3月に発表されました。

「果蔬図巻」は、約3メートルの絹地にさまざまな野菜や果物が描かれ、巻物に仕立てられた作品。相国寺の僧侶で若冲が親しく交流した梅荘顕常（ばいそうけんじょう）の跋文（ばつぶん／書物・文書などの終わりに書くあとがきのようなもの）がつけられています。

当時の一般的な野菜・果物が並んでいて面白い。パッションフルーツやジャックフルーツ、ライチなんかもあります。

栗の上にある白い野菜／果物は不明だそうです。これはなんだろう…

と、興味がつきない“激レア”巻物「果蔬図巻」が、10月から福田美術館で始まった展覧会で、世界で初めて一般公開されています。

「京都の嵐山に舞い降りた奇跡！！伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ？！」展

福田美術館で10月12日から始まった「京都の嵐山に舞い降りた奇跡！！伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ？！展」は、福田美術館が今年開館5周年を迎えるのを記念して開催される展覧会。
ちなみにこのタイトルは自分が盛ったものではなく、本当にこのタイトルです。福田美術館の展覧会はいつも攻めていて、そこにシビれるあこがれる。

今回の展覧会では「果蔬図巻」以外にも、若冲と大典顕常が舟で京から大阪へ下る間に見た風景を版画で表現した巻物「乗興舟」や、初期から晩年までの優品約30点が公開されます。

解説とともに展示されているので、非常にわかりやすい。

さらに、伊東若冲と同時期に同じく京都で活躍した画家、曾我蕭白（そがしょうはく）と円山応挙（まるやまおうきょ）にも注目し、作品を展示。

それぞれ比較しながら鑑賞するのも一興です。

「京都の嵐山に舞い降りた奇跡！！伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ？！」の開催は、2025年1月19日（日）まで。伊東若冲の魅力に存分に触れられる特別な機会です。