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明治大学・山村知也、帝京大学戦勝利にも「課題」あり?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
御覧の甘いマスク。身長175センチ、体重77キロ。(写真:築田 純/アフロスポーツ)

 4月30日に北海道・札幌ドームで関東大学春季大会Aグループの一戦があり、大学選手権9連覇中の帝京大学が明治大学に14―17で敗れた。帝京大学の公式戦敗北は2015年11月以来のことで、春季大会での同部の黒星は今回が初めてだった。

 この日、明治大学の右ウイングに入ったのは山村知也。兵庫・報徳学園高校出身で、高校日本代表やジュニア・ジャパンなどに選出経験のある3年生だ。今度の帝京大学戦でも前半8分にトライを決めるなど持ち味のランを披露した。

 5月6日は東京・秩父宮ラグビー場で、関東学生代表の一員としてニュージーランド学生代表と激突する。試合は17―34で敗れたが前半23分にトライを奪うなど活躍。海外選手の防御網を持ち味の速さとフットワークで何度も振り切った。

 試合後の取材エリアで、帝京大学戦とニュージーランド学生代表の感想を語った。

 以下、共同取材時の一問一答の一部。

――海外の選手を相手にも、持ち味を発揮していました。

「いやー…。これから(ハイレベルな試合では)1対1になれる場面は少なくなってくると思うので、相手に囲まる状況のなかでもゲインし、ボールを繋げる力をつけていきたいです」

――対外国人選手。いかがですか。

「ジュニア・ジャパンの遠征に行った時(3月、フィジーで環太平洋諸国の代表予備軍と対戦)は、相手が強いという印象だったのですが、きょうのチームは強いのに加えてうまい。それぞれの国によってタイプがあるので、それに対応しながら強みを出せるようになりたいです」

――今日の試合でも、自軍のミスボールを拾われるや最後までパスを繋がれてしまうようなシーンがありました。

「そうですね。そういうところでも、外(ウイングの立ち位置)から指示を出していくことが重用。力をつけていきたいです」

――帝京大学に勝った試合も、振り返ってください。

「ひとりひとりが勝ちたいという気持ちを持って、ハングリーにやれたのが大きいと思います」

――確かに、チーム全体のリロード(タックルした後の起き上がり)が速かった。

「タックル成功率も高く、精度も高かった。春は基礎の部分、フィットネスしかやっていないです。個人のベースは、上がりました」

――春の試合で王者に勝ったことの意味、冬の本番で王者に勝つまでの道のりについては。

「自信につながるいい勝ちでしたが、課題はあります。余っている(攻撃で数的優位を作っている)のにトライを取り切れないところ、ディフェンスの連携など、細かいところはまだまだ詰めていかないといけないです。まだ春シーズンも続きますし、これを乗り越えていいチームを作っていきたいです」

 勝利やトライに酔うより、潜在的な問題点に視線を向ける。引き続き「ハングリー」に戦う。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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