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H3ロケット3号機 打ち上げリハーサルに成功 極低温点検を経て、6月30日の打ち上げに向け万全の態勢

H3ロケット1号機の際の極低温点検の様子©JAXA

6月30日に打ち上げ予定のH3ロケット3号機が、打ち上げ前リハーサルである「極低温点検」のため姿を現しました。

本記事では、打ち上げ前リハーサルの内容と結果について解説していきます。

H3ロケットが描く将来打ち上げ計画、増強型H3ロケットとは?

■H3ロケット3号機が6月30日に打ち上げ予定

H3はJAXAと三菱重工業により開発された国産新型ロケットです。2023年3月の1号機の初打ち上げでは失敗してしまいましたが、2024年3月の2号機で最初の打ち上げ成功を収めました。

そして、6月30日に3号機の打ち上げを行うことが予定されています。2号機までは「試験機」という名称でしたが、3号機より実運用が開始されるため試験機の名称はなくなっています。

■H3ロケット3号機の機体が極低温点検のため登場!

組み立て作業中のH3ロケット3号機©JAXA
組み立て作業中のH3ロケット3号機©JAXA

そして、6月に打ち上げ予定のH3ロケットが遂に姿をあらわしました。5月29に極低温点検が種子島宇宙センターで実施されたのです。この点検は実際にロケットへ燃料を充填し、エンジン着火直前までカウントダウンを行うリハーサルで、打ち上げまでの作業や手順を確認するために行います。打ち上げ手順等の課題を洗い出す、非常に重要な試験なんです。

ロケットは飛行する機体だけでなく、地上設備や安全監理も融合した、非常に複雑なシステムです。そのため、問題が起きないよう設計しているものの、本当に問題が無いかどうか確かめるには実際に機体を射点に出し、打ち上げを模擬して試すしかないのです。カウントダウンは7秒前で停止するため、実際にロケットを打ち上げるわけではないんですよ。

ちなみに「極低温点検」というのは、推進剤である液体水素と液体酸素が極低温であるところから来ています。試験では、着火直前までを本番と同じ手順でリハーサルするため、機体には初めて推進剤が充填されるのです。充填後の機体が健全に動作するかどうかも大きなポイントの1つですね。

■極低温点検は無事に完了、6月30日の打ち上げを目指す

H3ロケット1号機の際の極低温点検の様子©JAXA
H3ロケット1号機の際の極低温点検の様子©JAXA

極低温点検は機体移動、推進剤充填、カウントダウンの3つの手順に分かれます。まず、宇宙センター内にある大型ロケット組立棟から射点へH3ロケットを移動させます。その後、実際にロケットへ液体推進剤を充填させ、正常に作動するか確認します。また機体の様子を確認できるか機体と地上アンテナの電波をつなげることでチェックします。最後にエンジン着火直前までのカウントダウンを行います。

H3ロケットは地上設備から電力・推進剤・空調・高圧ガスの供給を受けています。推進剤は自動で充填するようになっていますが、配管の温度などが判断基準として設定されており、逸脱すると停止する仕組みになっています。この点検ではそれらの作業手順を1つ1つ慎重に確認しながら進めていることもあり、予定時間よりは大幅に遅延が発生しています。ただ、遅れ自体に問題はなく、何か予定外のことが起きればそれだけ遅れることは元々想定されています。本番の打ち上げでは適切な余裕が設定され、作業時間に変動があっても打ち上げ時刻に影響しないよう考えられています。今まで打ち上げてきたロケットでは天候以外の理由での延期は少なく、高いオンタイム打ち上げ率がアピールポイントでした。

そして、カウントダウンは予定通り打ち上げ7秒前で自動停止、点検は無事成功しました。JAXAの発表によると、今回の試験では良好な結果が得られたとのことです。6月30日の打ち上げが無事に成功することを祈っています。

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