すでに梅雨末期に近い状態?この先も西日本を中心に断続的に大雨のおそれ。
活発な梅雨前線に伴う大雨
昨夜(20日)からけさにかけて、梅雨前線の活動が活発となり、九州では1時間に100ミリ以上の猛烈な雨が断続的に降るなど、記録的な大雨に見舞われました。
激しい雨が降り出した20日21時の天気図をみると梅雨前線上の九州北部には小さな低気圧がありますが、この低気圧に向かって梅雨前線に沿うように流れ込んだ暖湿流と沖縄方面から流れ込んだ暖湿流が合流するような形(収束)で、雨雲が非常に発達したものと思われます。
さらにこの低気圧の後ろ側からは比較的乾いた空気も流れ込んできたため、この乾いた空気も雨雲を強める(上昇流を強める)働きを助長したものと推察されます。
ところで、今回のように活発な梅雨前線の影響で大雨が降るのは主に梅雨末期と言われる7月に入ってからの時期に多くみられる現象なのですが、なぜ6月下旬になったばかりの今の時期にこのような大雨が降ったのでしょうか?
それはちょうど今の気圧配置がまさに7月のような状態になっているからです。
すでに梅雨末期に近いような状態?
北半球の雲の様子をみると、日本の南で雲の少ない領域が太平洋高気圧の勢力圏。すでにこの時期としては例年以上に強い状態となっており、その証拠に沖縄地方では平年より7日早く6月16日(先週の木曜日)には梅雨が明け、奄美地方に至っては平年より11日も早く6月18日(先週の土曜日)には梅雨明けとなりました。
そしてこの太平洋高気圧の北側に発生、位置するのが梅雨前線なのですが、太平洋高気圧が早めに強まっている分、いつのも年よりは早めに日本付近へと北上し、九州付近に停滞、大雨を降らせているのです。これは例年の7月のような気圧配置で、このような状態はまだしばらく続く予想となっています。
今後も活発な梅雨前線が停滞
天気図や雨雲を予想した週間アンサンブル予報では、雨域を示す網掛けの部分が向こう一週間も西日本を中心に日本付近にかかり続ける予想となっています。
これは梅雨前線が西日本~関東の南岸付近に停滞することを現しており、暖湿流の影響を受けやすい九州を中心とした西日本ではいつ大雨が降ってもおかしくない状態が続くことを現しています。
特に25日(土)に注目すると、日本海にLというマークがありますが、これは上空に寒気を伴った低気圧で、梅雨前線にこのような寒気が作用すると、梅雨前線は更に活発となり、前線付近以外でも激しい雷雨となることがあります。
今週末は大雨や雷、突風などに対して、更なる広い範囲で注意、警戒が必要となりそうです。