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台風18号 大雨と竜巻に警戒

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
台風18号の予想進路(15日9時、気象庁)

台風18号は15日午前9時現在、日本の南海上を1時間に30キロの速さで北上しています。台風の雲は円形から、少し縦長(進行方向に伸びた)になり、スピードが速まる兆しかもしれません。また、外側には活発な雨雲(スパイラルバンド)を伴っています。台風は今後も、勢力を保ったまま北上するとみられ、今日(15日)は台風を取り巻く雨雲による大雨に警戒が必要です。

1.台風18号の予想進路

台風は北緯30度を越えたあたりから、進路を東寄りに変え、今夜には紀伊半島沖まで進む見通しです。台風の転向点(進路を北から東へ変える)が本州に近ければ近いほど、上陸しやすくなるため、このあと、台風18号がどのあたりで進路が東寄りに変えるのか、注視しています。

明日(16日)の朝には東海沖に進み、静岡県から千葉県にかけての太平洋側にかなり接近、上陸するおそれが高くなっています。東京に最も接近するのは、16日午前9時ごろから正午にかけてで、東京23区が暴風域に入る確率は40%以上です。

2.関東地方、局地前線で大雨

15日9時現在、雨の様子(気象庁)
15日9時現在、雨の様子(気象庁)
竜巻発生確度(15日10時、気象庁)
竜巻発生確度(15日10時、気象庁)

関東地方では現在、断続的に強い雨が降っていて、とくに栃木県、茨城県では1時間に60ミリから80ミリの非常に激しい雨が降っています。これは関東地方の中央で、南東風と北風がぶつかり、局地前線ができているからです。局地前線の周辺では雨雲が発達しやすいため、より激しい雨が降ります。

このあとも、場所を変えながら、猛烈な雨が降る見込みです。なお、激しい雨は突然、降り始めますが、降っている時間は短い(数10分から1時間程度)ので、屋外にいた場合や車の運転中は、安全な場所で、通り過ぎるのを待ちましょう。

3.竜巻に警戒

また、局地前線周辺は、風向の違いがはっきりしているので、竜巻が発生しやすい場所でもあります。15日10時現在、竜巻発生確度は「2(赤で示された地域)」と、警戒を必要とする、竜巻が発生する可能性が格段に高い状況となっています。

3.強風

台風18号の強風域(風速15メートル以上)は直径約1100キロあり、九州から東北地方まですっぽりと覆うくらいの広さです。現在、風は海岸に近い所や諸島部で、強いほかは、目立って強くはありませんが、今日(15日)夕方以降は、徐々に強まってきます。また、台風の進行方向の右側は「危険半径」とも呼ばれ、風が非常に強くなる所です。言い尽くされたことで、申し訳ありませんが、雨や風が強まる前に身の回りを確認し、停電などの非常時に備えてください。

4.東京の雨、風の見通しは、

東京の天気の見通し(15日~16日)
東京の天気の見通し(15日~16日)

東京ではこのあとも、断続的に雨が強く降り、次第に南寄りの風が強まります。棒グラフは雨量の予想、赤い矢印(上部)は強風を示しています。今、最も新しい予想ですが、今後は変わる可能性もあり、風雨の強弱は時間的な幅を持って、お考えください。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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