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ワールドシリーズ最多タイの「1試合チーム5本塁打」に名を連ねた選手は、こちらの最多記録にも…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブランドン・マーシュ(左)とカイル・シュワーバー Nov 1, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワールドシリーズの第3戦に、フィラデルフィア・フィリーズは、5本塁打を記録した。1回裏にブライス・ハーパー、2回裏にアレック・ボームブランドン・マーシュ、5回裏にカイル・シュワーバーリース・ホスキンスが、それぞれ、ワールドシリーズでは初のホームランを打った。5人中4人は、今年、初めてワールドシリーズでプレーしている。シュワーバーは、シカゴ・カブス時代の2016年に出場していて、この時は打率.412(17打数7安打)ながら、ホームランは打っていない。

 1チームが1試合5本塁打は、ワールドシリーズでは最も多い。史上4度目だ。過去の3度は、1928年の第4戦にニューヨーク・ヤンキース、1989年の第3戦にオークランド・アスレティックス、2017年の第5戦にヒューストン・アストロズが記録している。

 この4試合のうち、2017年の第5戦と今年の第3戦は、5人が1本ずつ。1928年の第4戦は3人で5本、1989年の第3戦は4人で5本だ。前者はベーブ・ルースが1試合3本塁打、後者はデーブ・ヘンダーソンが1試合2本塁打を記録した。また、ワールドシリーズで1試合に5本のホームランを打たれた投手は、今年のランス・マッカラーズJr.(ヒューストン・アストロズ)しかいない。

 一方、ポストシーズンの1試合チーム最多本塁打は、この4試合よりも1本多い。2015年のディビジョン・シリーズ第3戦に、シカゴ・カブスの6人が1本ずつ打っている。その1人目は、シュワーバーだ。

 ポストシーズン記録に続き、シュワーバーは、ワールドシリーズ記録にも名を連ねたことになる。

 シュワーバーのシーズン30本塁打以上は、8シーズン中4度を数える。今シーズンは46本のホームランを打ち、本塁打王のタイトルを獲得した。ポストシーズンの通算本塁打は、49試合で13本だ。

 ただ、いつも、ポストシーズンの「ホームラン・パーティ」に参加しているわけではない。昨年のディビジョン・シリーズ第2戦に、ボストン・レッドソックスは、5本塁打を記録した。シュワーバーは、この試合にも、レッドソックスの「1番・一塁」として出場したが、4打数0安打に終わっている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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