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5戦15トライで春季大会優勝! 帝京大学の新人・竹山晃暉「余裕」のススメ【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
試合後、ファンにサインを書く竹山。

大学選手権6連覇中の帝京大学は6月14日、関東大学春季大会のAグループ(前年度の関東大学対抗戦A、同リーグ戦1部の上位3校による総当たり戦)で全勝優勝を飾った。静岡・兼営草薙球技場で明治大学を47-14で撃破した。

5戦の平均得点と平均失点がそれぞれ「63.5」「12.375」と他校を凌駕するなか、新人のウイング竹山晃暉は15トライを挙げた。

奈良・御所実業高校の1、3年時に全国高校ラグビー大会準優勝を経験したランナーは、大学ラグビー界の常勝集団にあってもレギュラーを確保。岩出雅之監督に「持ってるな。上手いもん。トライの取り方が」と言わしめた。

この日も後半34分、インゴールを割った。敵陣10メートル線付近の左タッチライン際で、相手守備網の死角へ飛び込みパスをもらうやギアを入れた。小刻みなステップで相手との間合いを取り、ハンドオフを交えつつ止めを刺した。

以下、試合直後の囲み取材時の一問一答(当方質問部分のみ)。

――試合の感想を。

「前半、(肉弾戦で相手の圧力を受け、一時は14-14の同点と)雰囲気が良くないなか、ハーフタイムに切り替えられて、そこがスコアに繋がった。油断ではなく、余裕を持てたから、前を見て、的確に判断ができたと思います。僕も油断ではなく、余裕を持った、落ち着きのあるプレーヤーになりたいです」

――チーム全体として、判定に首を傾げたくなりそうなシーンがあったとしたら。

「試合はその日のレフリングが全てなので、そこには我慢をしつつ、どこがだめ(反則)だったのかを坂手さん(淳史キャプテン、フッカー)を経由してコミュニケーションが取れたと思います。まず、自分たちがやっているラグビーに自信を持っていて、レフリーの特徴を聞いて、理解しながら対応する。僕が相手チームだったら、嫌だなと思います」

――いまのところ、春季大会グループAで最も多い15トライを取っています。他チームの選手の状況次第で、トライ王にも。

「もちろん、もらえたら光栄なんですが、そこを目指してやっているわけではないので。チームのウイングとして、トライを取りきるという役割を果たしていきたいです。きょうも、絶対にトライを取ってやろうと思っていて、役割を果たせてよかったです」

――きょうのスコアシーン。ボールのもらい方が絶妙でした。

「きれいな2対1(攻撃が2人で守備が1人)の場面。(目の前に)大きなスペースがあったわけではないので、自分でスペースを作って…(グラウンド中央に切れ込む素振りを見せ、その逆となる外側でパスをもらった)。あそこは(相手に)ぶつかるのではなく、自分がトライを取る、というイメージでした」

――高校時代と違い、競った試合展開でのトライは奪えていませんが。

「それはトップリーグとの対戦に取っておきます(シーズンを締めくくる日本選手権で、学生王者と国内最高峰であるトップリーグのチャンピオンがぶつかる)」

――自分の強みは。

「チャンスの時の声かけと、ボールをもらう時のポジショニングは誰にも負けたくないです」

――では、自分が思う長所と周りが思うそれがずれていると感じたことは。

「ずれている時もあるんですけど、そこは、自分の思いも言わせていただいて、意見も聞いて、コミュニケーションを取っていきます」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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