山陽電鉄「大塩駅」から徒歩6分ほど。立ち寄らずにはいられないユニークな小屋が焼き菓子と惣菜のテイクアウト店「Bake and Deri 厨」です。大谷かおりさんさんが「かわいらしいし、思い入れが深まるから」と小屋キットでDIY。断熱材を施し石膏ボードを貼り、漆喰を塗るといった作業まで。プロや仲間の協力を得たものの、ほぼ一人で3カ月かけて完成させました。

爽やかなパイナップルケーキ

料理や菓子作りが好きな大谷さんは大阪のカフェ経営スクールへ通い、カフェの開業を目指していましたが、家庭の事情などで方向転換。料理教室の講師を務めたりした後、今の形を思いつきました。「オリジナルの焼き菓子を販売したい」と。今年3月、「パイナップルケーキ」といった焼き菓子をメイン商品としてオープンしました。

パイナップルケーキ、ネーミングプレートには「□おやつ 完熟パイナップル」と記載してあります。

「□おやつ」、読み方は 「四角いおやつ」。

パイナップルがぎっちり入っていて甘酸っぱい。食感もフレ～シュッ。「『パイナップルケーキの“ねちょねちょ”している感じが苦手』という声を聞いて、工夫しました」とのこと。

特別に型と成型＆取り出すときの道具も見せてもらいました。生地を作って、1個ずつの重さを量り、寝かせて、成型して……、わー手間がかかっている。

食感はサクッと、しっとりの中間ぐらい。生地には北海道産の小麦によつ葉バターに牛乳、きび糖を使用しています。

「□おやつ」シリーズは全８種。

続いては一番人気のこちら。

上質で濃厚なチョコ。表現するなら「濃＆厚」。ちょうどこの日、千姫は喉が痛かったので、チョコのおかげて少々和らいだ気がしました。

「□おやつ 濃厚いちご」。おっ、すでに商品名には「濃厚」が付いている。

酸味が利いていてシャキッとします。夏は特にこれだわ。

定番は上記の3種です。千姫でいうと2口サイズ。
爆買いする人もいるって聞きました。共感。

「チョコとナッツのクッキー」はショーケースの横に。

見た感じより、ずっしりとした重さ。カシュ―ナッツが香ばしい。

違いが分かる！ オリジナル惣菜の味わい

冷蔵ケースには、冷んやりおやつと惣菜が。

取材日は、手作りあん入りの「小豆あんとクリームサンド」、柔らかく仕上げた豚ロースに自家製タレ付きの「塩チャーシュー野菜添え」をはじめとする、暑い季節に食べやすいメニューが並んでいました。調味料はすべて無添加のものです。

お客さんからのリクエストに応えることも。「これまでチョコプリンやパンナコッタを作りました」と大谷さん。自分が好きなお店の味で、好物をいただけるのはうれしいですよね。

夏ドリンクとして、すっきりした「スペシャリティコーヒー豆　水出しアイスコーヒー」や「梅レモンソーダ」が提供されています。

凛とした佇まいと柔軟な対応が魅力の大谷さん。「今後、年を重ねてもピシッとした志や姿勢で働き続ける」が目指すところだそう。千姫も「体にやさしい食事、良質な睡眠や湯船につかっての入浴、深呼吸」と健康にも気を使っている大谷さんを見習いたい。まずは「厨」での栄養補給で準備万端整いました。