猛暑から一転、不順な夏へ 「10年冷夏説」も
今日(19日)、気象庁から発表された、向こう1か月間の天候予報(7月20日から8月19日)によると、北日本と東日本で気温が低くなる確率が40%から50%と高く、猛暑から一転して、気温が低くなる可能性が出てきました。とくに、オホーツク海高気圧の影響を受ける、北海道のオホーツク海側と東北地方の太平洋側では、気温が平年より低くなる確率が50%となっています。オホーツク海高気圧は冷たく湿った風をもたらすため、東北では昔から「やませ(山背)」といって、冷夏の元凶として恐れられています。
「太平洋高気圧が後退し、低温多雨か」
この時期は例年ならば、梅雨が明けて、夏の高気圧が日本列島をすっぽりと覆うときで、最も夏らしい天気になるときです。ただ、今年はご承知のとおり、7月上旬に早々と梅雨があけ、直後に猛烈な暑さがやってきました。一方で、北陸や東北地方はまだ、梅雨の中です。
夏の天候を考えるとき、最も重要なのは「太平洋高気圧(夏の高気圧)」です。この高気圧の強さが日本の夏を決めているといっても過言ではありません。長期的な予想はまず、太平洋高気圧の強弱を見るのですが、今後は太平洋高気圧が弱まりながら、沖縄付近に後退する予想になりました。一方で、本州付近は上空の寒気やオホーツク海高気圧の影響で、雨が降りやすくなり、不順な天気になることも考えています。
「10年冷夏説」も
過去の夏の天候を調べてみたら、あることに気がつきました。3のつく年は冷夏が多いのです。例えば、1993年は戦後最悪の冷夏といわれ、平成の米騒動、外国米の輸入など、食卓に大きな影響があった年です。また、2003年も長雨と低温で、水稲の作況指数は青森県で53など、被害額は約3000億円、そして、1983年も冷夏でした。
つまり、1983年、1993年、2003年と、10年周期で冷夏になっているのです。ただ、なぜ10年周期なのかは、いろいろと原因が持ち出されてはいますが、確固たることは分かりません。
また、予報官の言葉で、「天気の規則性が分かってきたときには、もう使えない」という意味の戒めがあります。天気に長年、携わっていると、あるとき、天気の周期性に気がつきます。でも、これはこれまでがそうであっただけで、次もそうなるとは限らないのです。この夏のゆくえに、刮目しています。