〜かっちょいい!“豚骨”ラーメン職人編〜。「イナヅマラーメン」
あ・うんの呼吸で麺場をさばき、最高のラーメンを出してくれる。そんな、夫婦で切り盛りする“豚骨”ラーメン店の中でも特に“かっちょいい!”雰囲気を醸し出しているお似合いの2人が、福岡県・那珂川市「イナヅマラーメン」の綾戸大樹・理奈夫妻だ。ご主人の大樹さん(1977年福岡市出身)はバンドマンからラーメンの世界へ。福岡を代表する「長浜ナンバーワン 長浜店」での修業を経て2020年に「イナヅマラーメン」を開いた。音楽をきっかけに知り合った理奈さんとは結婚して11年目。理奈さんは常に大樹さんに寄り添い、夫婦二人三脚でラーメン道をまい進してきた。実は、この7月までは福岡市内に舞鶴店もあり、理奈さんはそちらで腕を振るっていたが、一旦閉めて那珂川の店に改めて戻ってきた。いちファンとしてやはり、この2人がそろってこそイナヅマ!と嬉しくなる。夫婦のまわりには、ゆる〜いけど凛としたような、心地よい空気が漂っているのだ。
「イナヅマラーメン」の一杯はジャンルでいうと「長浜ラーメン」だ。豚骨濃度は決して高いわけではないが、長浜ラーメンの持ち味である“毎日でも食べられそうなシンプルな豚骨”で、塩気もバリッと効いている。麺は福岡市・東区の名製麺所「トリオ製麺」、チャーシューは豚バラ肉。チャーシューの煮汁がラーメンダレとなり、豚頭とゲンコツでとる豚骨スープのうまみを見事に引き出している。
そして、王道の長浜ラーメンを軸に、イナヅマ流の変化を加えたメニューがあるのもおもしろい。例えば、佐賀の要素を取り入れた生卵入りや大判の一番摘み海苔を加えたもの、また、大樹さんがちゃんぽん店でも働いていた経歴を生かし、野菜“盛りもり”でちゃんぽんLikeな「野菜炒め盛りラーメン」も用意。さらに最近では、理奈さんが女性目線で作り込む「油そば」もメニューに加えた。
「福岡出身である僕自身の根っこにも刻まれているように、やはり“スナック感覚”“おやつ感覚”の気軽なラーメンであり続けたいですね。材料費や光熱費も上がり難しい部分もありますが、日常食として楽しめる値段をできるだけキープしたいと思っています。ウチはオープンしてから丸4年。まだまだ新参者ですが、地域の子どもたちにも愛される“ラーメン屋のおいちゃん”になれるように頑張りたい」と大樹さん。
個性的なロゴやグラフィックは、芸術学科卒の理奈さんがデザインしたもの。
那珂川市、国道385号沿いで、とんがった“イナヅマ”の看板を見かけたら、即ドライブイン!である。
【イナヅマラーメン】
住所:福岡県那珂川市片縄東1-12-2
電話:092-408-3645
時間:11:00〜15:30、17:00〜23:00
休み:無休
駐車場:10台(無料)