アマゾン詐欺による個人情報漏えい、TVで言えない本当の事?
従来からマッケートモールやオークションサイトでは、商品を発送することなく、金をだまし取る詐欺が横行していました。主催しているサイトでは問題が起こるたびに改善策を講じていたのです。特に事業者でない一般の人が物品を売買するフリーマッケートサイトやネットオークションでは、最初から悪意をもって詐欺をはたらこうとする人が加わってきたことから、販売者の評価を行うことで信頼性を担保しようとしました。一定の効果があったようですが、最初の数件、数十件だけ正常な取引を行ってから、評価値を上げ、その後、大々的に詐欺を行う人も現れ、今までにない大量の取引を行おうとする人に対して監視強化等の対策も行われました。詐欺をはたらくために、評価値が高い販売者のアカウントを高額で売買するということも起こっています。もう5年以上も前になりますが、「次点詐欺」というネットオークションでの詐欺行為も流行りました。これはオークションで落とせなかった人に対して、言葉巧みに、その商品を提供するふりをして金をだまし取るものです。落とせなかったという悔しさとその商品への執着心を利用しているのです。
今回の手口も目新しいものではありませんが、特徴としては従来から正当な売買をしている人あるいは店のアカウントを乗っ取って、その出展者になりすまして金をだまし取るようです。その出展者において、明らかに過去に扱った商品と異なる場合や異常に値引きしている場合は注意が必要です。結局のところ、自分が判断して、騙されないようにする必要があるのです。
ところで、今回の詐欺、多数の被害が出ていることで問題になっています。確かに一人一人の被害は高額ではないとはいえ、被害に違いはありません。しかし犯罪者側も被害額だけを考えれば、効率の良い犯罪とは必ずしも言えません。実際すぐにニュースの話題となるところとなり、アマゾンおよびその利用者が対策を取り始め、容易にだまずことができなくなりましした。そこで犯罪者側の目的についていろいろな憶測が流れています。一つにはアマゾン自体の信用の失墜があります。アマゾンにとっては利用者の被害を弁済する以上に信用の問題は深刻でしょう。もう一つは個人情報の収集だと言われています。商品を送付する必要があることから、住所、氏名、電話番号、それに連絡を取るためのメールアドレス等を得ることが出来ます。
利用者にとっては個人情報の漏えいになるわけですが、もっとも深刻なのはその個人情報に加えて、その個人の「属性」が得られることです。つまり、どのような商品に興味があるのかということに加えて、どのような商品説明方法で、どれぐらいの値引きであれば購入し、かつ必要以上の数を購入するのか、つまり、どの程度騙されやすいかという尺度がわかるのです。これらの情報は犯罪者にとって住所、氏名等の情報の何十倍も価値があります。その情報を収集し、後にリスト化した上で売買するのです。その「騙されやすさ」のリストこそ、問題なのです。このリストは「カモリスト」という俗称で呼ばれています。被害者にとっては自分の情報が不本意に使われ、心外この上ないことですが、さらなる二次被害につながることを用心しなければなりません。