「適応障害」の症状が表れた時の対処法と「対人関係」のつらさを克服する方法とは?
こんにちは、精神科医しょうです。
ある特定の状況や出来事がその人にとって、とてもつらく耐えがたいものであるにもかかわらず、無理に合わせようとし続けた結果、心身の不調をきたし生活に支障が出てしまうことがあります。
これを「適応障害」と言い、今までの環境と変わるような出来事の後にかかりやすいとされています。
また、生まれつきの性格や傾向、置かれている環境、心身のコンディションなど、その時々の状況によって、発症するかしないかも変わってきます。
発症すると、強い苦しみの感情や不安、恐怖などを感じるため、仕事や学業に差し支えてしまいます。
今回は「適応障害」におちいった時の対処法について触れてみたいと思います。
「適応障害」で対人関係がつらいと感じたら
人が抱えるストレスの多くは「対人関係」と言われることがあります。
主なストレスは「仕事」「恋愛」「家庭」「学校」「病気」などがあり、どの要因にも対人関係はかかわってくると言えるでしょう。
しかし、対人関係を避けて生きていくことはできませんので、無理なく付き合ったり、自分の考え方を変えたりなど柔軟に対応していくことが必要になります。
ここでは、対人関係がつらいと感じた時の対処法についてお伝えしたいと思います。
・苦手な相手とは距離をとる
「苦手な相手とも上手くやっていくべきだ」「イヤな人と付き合うのも仕事だ」という考えにとらわれていませんか?
対人関係に思い悩んでしまう人の多くは、人から嫌われることを極度に恐れる傾向が見受けられます。
自分とは合わないと思う相手と我慢して付き合っていると、自分の中にストレスが蓄積してしまいます。
また、知らず知らずの内に心が傷だらけになってしまうかもしれません。
「人を嫌ってはいけない!」という思いをいったん、横に置いて苦手だと感じた自分を受け入れてみましょう。
何がどう苦手なのか?自問自答をしてみて、心の中を整理し相手を見つめ直してみましょう。
やっぱり自分とは合わないと確信したら、距離をとってみることをオススメします。
ちなみに、距離をとることで「自分は弱い」「逃げてしまった」などと自己嫌悪におちいる必要は全くありません。
色々なことに向き、不向きがあるのと同様に人にも合う、合わないがあって当然です。
頑張っていた自分と気付くことができた自分を褒めてあげてくださいね。
・自分の考え方や行動を変えてみる
対人関係がつらいと考える人の多くは、ネガティブな言動をとっていることがあります。
感情的な決めつけやレッテル貼り、マイナス思考などどれも考え方が歪んでいることがありますので、人と接する上でつらいと感じてしまいがちです。
また、自分の信念やルールから外れることを許さない思考を持っていると、自分だけではなく、周囲の人もしんどい状態におちいってしまいます。
感情は伝染すると言われているように、特に負の感情を抱き続けていると、周りの人を巻き込み、混乱におちいらせてしまうことにもつながりかねません。
そのような状態におちいらないためにも、悪い面だけに目を向けるのではなく、良い面についても評価することで、とらえ方を変えるように心がけてみましょう。
対人関係については、ついつい感情的になってしまうことがありますが、冷静に対処することで、しんどさはずいぶんと変わってくるものです。
「適応障害」の症状が表れたら
適応障害を患うと気分の落ち込み、不安、焦り、恐怖などの精神症状が表れることがあります。
また、身体症状としては睡眠障害や動悸、暴飲、暴食、攻撃的な態度をとるなど、問題行動が目立つようになることもあります。
これらの症状を感じたら、どのように対処すれば良いのでしょうか?
・ストレス要因を考える
自分が置かれている状況を振り返ってみましょう。
最近、環境が変わるような大きな出来事がなかったか?
また、その出来事を自分はどのようにとらえているのか?も合わせて考えてみましょう。
・医療機関で相談する
落ち着いて行動ができない、集中力が続かないなど日常生活に支障をきたしていると感じた場合には、すみやかに医療機関を受診し医師に症状を伝えるようにしましょう。
処方箋を出してもらうことで、つらい症状を緩和させることができるかと思います。
・休養をとる
環境に適応できず、体が拒否反応を起こしている状況かと思いますので、心身を休めるために十分な休養をとることも選択肢の一つです。
無理をして、頑張り続けているとうつ病などにつながる恐れも出てきますので、まずはゆっくりする時間を確保しましょう。
まとめ
今回は適応障害の症状に気づいた時の対処法と、対人関係の克服法についていくつか考えてみました。
何ごとも「つらい」「合っていない」と感じた時点で、何らかの手を打つことにより、適応障害の発症を防ぐことができます。
無理をせず、自分の感覚を大切に過ごしてみましょう。
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