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続投発言から半月後に監督を解雇。オーナーの心変わりは何が理由だったのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ゲーブ・キャプラー Sep 25, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月29日、サンフランシスコ・ジャイアンツは、ゲーブ・キャプラー監督の解雇を発表した。

 キャプラーは、2018~19年にフィラデルフィア・フィリーズで采配を振った後、2020年からはジャイアンツで指揮を執ってきた。フィリーズの監督時代を含め、ポストシーズン進出は1度。今から2年前に、両リーグ最多の107勝を挙げた。ディビジョン・シリーズでは、2勝1敗からロサンゼルス・ドジャースに連敗を喫した。

 半月前にサンフランシスコ・クロニクルが発表した、スーザン・スラッサーの記事によると、ジャイアンツのオーナー、グレッグ・ジョンソンは、ベースボール運営部門を司るファーハン・ザイディとキャプラー監督の2人について、9月14日に「彼らは来年もここにいる」と語ったという。

 9月13日の時点で、ジャイアンツは、ワイルドカード・レースの5位タイながら、3位タイまで0.5ゲーム差のところに位置していた。その翌日には、単独3位に浮上。この日、ジャイアンツの試合はなかったが、3位タイの2チームと5位タイに並んでいた1チームが揃って敗れた。

 ただ、9月15日~27日の13試合は、連勝なしの3勝10敗(28日は試合なし)。26日の黒星により、ポストシーズン進出の可能性は完全に消滅した。

 もしかすると、2年続けてポストシーズンへ進めなかったことだけが、解雇の理由ではないのかもしれない。

 ジ・アスレティックスのアンドルー・バッガリーは、9月26日の記事で、エースのローガン・ウェブが「ウィニング・カルチャーを作り出すために、何か大きな変化が必要」と語った、と報じている。この記事によると、試合前に相手の先発投手について調べるのではなく、フィリピンのカード・ゲーム「Pusoy dos」に興じている野手もいるという。

 レギュラーシーズンの残る3試合は、ベンチ・コーチのカイ・コレイアが采配を振る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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