Yahoo!ニュース

メジャーリーグ開幕前日、コーセー・アメリカも大谷翔平のグローバル・アンバサダー就任を発表。

谷口輝世子スポーツライター
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

開幕前日、コーセー・アメリカも大谷翔平のグローバル大使就任を発表。

昨年12月末に、株式会社コーセーがエンゼルスの大谷翔平選手とグローバル広告を締結したと発表した。大谷は、今年2月には同社の日焼け止めの広告モデルになり、ワールドベースボールクラシック(以下WBC)大会の期間中からはコスメデコルテの美容液の広告にも出ている。

KOSÉ Americaのプレスリリースより
KOSÉ Americaのプレスリリースより

そして、メジャーリーグの開幕を控えた米国時間29日には、コーセー・アメリカが、新たなグローバル・アンバサダーとして大谷翔平選手を起用すると発表した。

同社は、グローバル大使起用の理由を次のように説明している。(英文のプレスリリースを筆者が日本語訳した)「大谷翔平選手は、その素晴らしい運動能力で世界中から賞賛されていますが、彼の誠実な姿勢と高潔さこそが、私たちの会社にとってベストマッチであると確信しました。彼は、私たちの価値観と、グローバル、ジェンダー、世代に焦点を当てた3G(グローバル、ジェンダー、ジェネレーション)戦略ビジョンを体現しています。私たちは、グローバルな存在感を高めるとともに、あらゆる地域や国、あらゆる性別、あらゆる年齢層の美を祝福する企業でありたいと考えています。また、これからの美容は、肌のケアだけでなく、心とマインドのケアも重要視されると考えています。スポーツは常に私たちの歴史の中で重要な位置を占めてきました。大谷選手との今後のキャンペーンは、健康的な肌とともに健康的なライフスタイルを促進します」

大谷のようなグローバルアスリートは、グローバル市場に自社商品をアピールしていくときにこそ、より魅力的で、さらにそのパワーを発揮する存在になる。

コーセーは2014年に自然派化粧品の米国のタルト社を買収した。2019年11月5日付の美容経済新聞によると、米国のタルト社を買収した翌年の2015年にコーセー・アメリカを設立し、米国市場攻略の基盤を整えたとしている。米国市場での売り上げ拡大を目指すためには、メジャーリーグを代表するスター選手である大谷は、ぴったりの人選だろう。

余談だが、メジャーリーグでは2012年ごろから皮膚がんについての知識を啓発するようになり、日焼け止めの使用を促進していた。しかし、2021年6月からは投手の日焼け止め使用については条件がつけられた。ナイターや屋内球場では使用できない。日焼け止めクリームなどの物質を指につけて投げることはルール違反とみなされるようになったからだ。

このように、投げる人には使用条件があるが、見る人は大谷の広告商品をたっぷりぬって日焼けから肌を守ることができる。いくつかのキャンプ地球場では、手指の消毒液のように、ポンプ式で誰でも使える日焼け止めが設置されているところがあるので、球場内に大谷の広告する日焼け止めのサンプルがあるといいのかもしれない。

スポーツライター

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情をお伝えします。著書『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのかーー米国発スポーツペアレンティングのすすめ 』(生活書院)『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店) 連絡先kiyokotaniguchiアットマークhotmail.com

谷口輝世子の最近の記事