Yahoo!ニュース

「城島に近い」と森三軍監督。ホークスのドラフト1位井上朋也は4番で英才教育

田尻耕太郎スポーツライター
将来の4番候補として育成していく(筆者撮影)

 4月22日、福岡ソフトバンクホークス三軍は四国アイランドリーグplusとの定期交流戦で徳島インディゴソックスとタマホームスタジアム筑後で対戦した。

【4月22日 定期交流戦 タマスタ筑後 143人】

徳島     000100002 3

ソフトバンク 04000100× 5

<バッテリー>

【IS】白川、間庭、河野、中山、亀山、福永――小山

【H】岡本、吉住、大城、中道、古谷――石塚、居谷

<本塁打>

なし

<スタメン>

【IS】3丹治 8宇佐美 6佐藤 7吉村 2小山 5坪井 D藤井 4平尾 9村川

【H】8早 6川原田 3渡邉 D井上 5黒瀬 2石塚 9中村宜 7舟越 4伊藤

先発した岡本(筆者撮影)
先発した岡本(筆者撮影)

<戦評>

 前日の8-4に続き、ソフトバンクが連勝した。

 二回に集中攻撃。1アウト一、二塁から中村宜の左前適時打で先制すると、8番・舟越、9番・伊藤と3者連続タイムリーが飛び出すなどして一挙4点を奪った。

 六回には先頭の4番・井上が三塁打を放ち、続く5番・黒瀬の中犠飛で追加点を挙げた。

 先発の岡本は緩急をつけた投球で5回1失点にまとめた。最終回は中道が無死満塁のピンチを招いたところで降板し、前日に今季初実戦マウンドに上がった古谷がリリーフ。2点を失ったがリードを守り切り、ソフトバンクが逃げ切った。

ソフトバンク三軍の次戦は27日の火の国サラマンダーズとの練習試合(タマスタ筑後、28日も開催。いずれも無観客試合)の予定となっている。(了)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

4番井上朋也、四国IL4試合で打率.571

4打席目に2本目のヒットを放つ(筆者撮影)
4打席目に2本目のヒットを放つ(筆者撮影)

 今年のソフトバンク三軍。4番打者にはドラフト1位新人の井上朋也内野手が座り続けている。この日は指名打者だったが、「4番サード」が基本線だ。

 その中で結果も残している。四国アイランドリーグplusと戦ったこれまでの4試合は全試合ヒットを放ち、14打数8安打で打率.571、3打点とチームの主軸としての役割をしっかり果たした。

 この日は4打数2安打。そのうち一本は右翼フェンス上部に直撃する三塁打だった。

 井上は「今、あまり調子は良くないんです」と話す。それでもバットをしっかり振りきれるスイング力と、天性のボールへの対応力で結果を残し続けている。

 森浩之三軍監督は「三軍で試合に出るときには4番で使い続ける。そうやって育てたいという思いをもっている」とはっきり口にする。

「体力がつけば勝手にホームランは増える」

 スタッフや首脳陣で長くホークスに携わってきた森三軍監督は様々な選手のルーキー時代をその眼で見てきた。ホークスの高卒右打者でずば抜けた存在だったといえば、城島健司氏(現会長付特別アドバイザー)だろう。1994年ドラフト1位でダイエー入りし、プロ1年目から15試合に出場。2年目はウエスタン・リーグで25本塁打を放った。

「ジョーは特別だった。二軍でもいきなりホームランを量産していたしね。だから(井上より)もう少し上のレベルだったかもしれないけど、それでも井上もそれに近いものを感じさせる。現にここまで二軍でもヒットが出ている(14打数5安打、打率.357)。体力がつけば今日の打球なども勝手にホームランになる。振れるのが彼の魅力。最終形はホームラン打者だけど、今はそれを求める必要はない。振る姿勢を大切にしながら強化を続けることが大事だと思う」

 三軍体制を存分に生かしながら、スケールの大きな打者へ育てていく。井上の育成プランがはっきりと見えた。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

田尻耕太郎の最近の記事