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ついに野党共闘が本格化―社民党大会で民主、共産、維新、生活の党首、幹事長らが安倍政権打倒を誓う

志葉玲フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)
社民党の大会に参加、握手を交わす野党の党首・幹事長ら

自民党が相次ぐスキャンダルや失言で揺れる中、ついに野党が動いた。昨日19日の5党党首会談での合意に続き、今日20日に都内で開催された社民党の党大会に、枝野幸男民主党幹事長、共産党の志位和夫委員長、生活の党と山本太郎と仲間たちの小沢一郎共同代表、そして維新の党の今井雅人幹事長が出席。社会党から社民党へと再出発して20年目となる社民党への祝辞を送るとともに、壇上で互いの手を取り5野党が連携して、安倍政権を打倒することを誓いあった。

社民党の党大会に出席した民主党の枝野幹事長は、「5党は政策違うところもあるが、立憲政治の危機、国民生活の危機、民主主義の危機、この3つの危機を乗り越えるために違いを乗り越えて頑張ろう」と呼びかけた。とりわけ、立憲主義については、「政府は憲法を守らないといけない、これは政策の違いを超えたこと」として、日本の民主主義の根幹をなすものであり、これを守るために、違いを超えて連携することの重要性を説いた。

共産党の志位委員長が社民党の大会に出席したことも注目を集めた。共産党のトップが社民党の大会に参加するのは、結党以来初めて。志位委員長は、「(社会党党首の)土井たかこさんの時代から、共産党と社民党は、憲法を守る活動で一緒に行動してきた。それが昨年の国会前の活動で民主主義をまもろうと参加する党が増え、5党合意となった。この勢いで戦争法廃止しよう」とアピール。拍手喝采を受けていた。

生活の党の小沢共同代表も「今日お招きいただいた四党は、口先だけではなく お互いに信じあい、安部政権を打倒するため協力しあおう。格差のない平和な社会を実現する政権を作るために奮闘しよう」と強調。維新の党の今井幹事長も「安倍政権は無茶苦茶。自分の言うことをきかすため、内閣法制局やNHKのトップの首を挿げ替える。民主主義を守るために頑張ろう」と訴えた。

今回の社民党の大会で党首として再任された吉田忠智社民党党首は昨日19日の野党5党の党首会談での合意として、「安保法制廃止・集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を共通目標」「安倍政権打倒、与党・補完勢力を少数に追い込む」「国会・国政選挙での協力を確認し、幹事長レベルで具体化をはかる」との方針を報告。壇上で吉田党首を中心に、5野党のトップ、幹部らがつないだ手を掲げた。

これまで、SEALDsや総がかり行動などによる市民連合等、安保法制に反対する市民集会に野党5党の議員らが参加し、野党共闘を訴えることはあったが、政党の党大会に各党のトップらがら参加し、共闘を明言したのは初めて。なかなか実現しなかった野党共闘がいよいよ本格的に動き出したと観るべきだろう。

(了)

フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)

パレスチナやイラク、ウクライナなどの紛争地での現地取材のほか、脱原発・温暖化対策の取材、入管による在日外国人への人権侵害etcも取材、幅広く活動するジャーナリスト。週刊誌や新聞、通信社などに写真や記事、テレビ局に映像を提供。著書に『ウクライナ危機から問う日本と世界の平和 戦場ジャーナリストの提言』(あけび書房)、『難民鎖国ニッポン』、『13歳からの環境問題』(かもがわ出版)、『たたかう!ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共著に共編著に『イラク戦争を知らない君たちへ』(あけび書房)、『原発依存国家』(扶桑社新書)など。

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